「円安阻止介入」目前!?…止まらない〈投機的円売り〉に終わりは来るのか【国際金融アナリストの見解】
4月の注目点=投機的円売りと円安阻止介入の攻防
これまで見てきたように、根強い米ドル買い・円売りの背景には、日米金利差の米ドル優位・円劣位が大幅であることの影響が考えられます。それでは、この金利差が縮小に向かうかといえば、アメリカの景気は1~3月期も、実質GDPの伸び率が2%以上と底固い状況が続いているとの見方が強く、米国株も最高値圏での推移が続いている状況下においては、当面は見込みが薄そうです。 となると、4月にさらに米ドル高・円安が拡大するかは、今のところは大幅な金利差を拠り所とした投機的米ドル買い・円売りと、日本の通貨当局による円安阻止介入の攻防が最大の焦点といえそうです。 2022年の円安阻止介入では、介入を始めてから円安が一段落するまで約1ヵ月かかりました。ただ当時の米ドル高・円安は、米インフレ対策の大幅利上げが主因と見られ、そのような利上げの終了がまだ見込めない状況だったことを踏まえると、かなり厳しい判断だったと考えられます。それに比べると、今回は米利上げ再開の可能性は低いわけですから、介入によって円安を終息させることは、2022年時よりも見込みやすいようにも感じます。 以上を踏まえ、4月の米ドル/円は、投機的な米ドル買い・円売りと円安阻止介入の攻防が中心となる結果、145~154円での荒っぽい展開を想定しています。 吉田 恒 マネックス証券 チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長 ※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。
吉田 恒