韓国戒厳令、「第2次朝鮮戦争」寸前の危機だった? 韓国メディアが報じている“衝撃シナリオ”の全貌
明かされた戒厳軍の計画
韓国の脱北者団体が体制批判ビラを飛ばしたことへの報復として、北朝鮮が5月末から大量の汚物風船を韓国領土へ飛ばした。そのさなか、ユン大統領の頭の中には「ドローン機による平壌侵入→北朝鮮軍部の反撃→韓国側による汚物風船拠点への攻撃→南北局地戦→戒厳令宣布→野党党首らの逮捕」というロードマップが描かれていたのかもしれない。 実際、10月11日、北朝鮮外務省は「韓国が2週間にわたり平壌にドローンを夜間侵入させ我が国を批判するビラを飛ばした。侵犯が再び確認されれば宣戦布告と見なし即時報復する」と非難した。 金正恩(キム・ジョンウン)総書記の実妹で強い影響力を持つ朝鮮労働党中央委員会宣伝扇動部の金与正(キム・ヨジョン)副部長は「ドローン機が再び飛来すれば恐ろしい結果につながる。挑発行為をしている韓国軍の中にギャング集団がいる明確な証拠がある」と警告していた。 北朝鮮はこのドローン機の写真を公開しており韓国軍の偵察ドローン機であると主張している。韓国は当初、北朝鮮側にドローン機を飛ばした事実を否定していたが、韓国軍合同参謀本部はその後、「北朝鮮政府の主張について肯定も否定もできない」と立場をあいまいにしている。 北朝鮮が名指しした「ギャング集団」とは、ユン大統領と同じソウル市内の名門私立である沖岩(チュンアム)高校の先輩であるキム前国防相、後輩のヨ前国軍防諜司令官、イ前行政安全相らクーデターを画策した「沖岩派」の面々だったのか。 ユン大統領の戒厳クーデターにあたり、革新系ジャーナリストでユーチューバーの金於俊(キム・オジュン)氏が13日に国会審議に出席し「非常戒厳時に逮捕班ではなく暗殺班が動いたという情報提供を受けた。逮捕移送されている与党・国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表を射殺、チョ・グク祖国革新党代表、そして私を逮捕護送する部隊を(北朝鮮の軍服を着て)襲撃して逃走する』というのが戒厳軍の計画だった」と爆弾発言をした。ただ、情報の出どころについては「韓国国内に大使館がある友好国」とだけしか述べなかった。 一方で、保守系有力紙の朝鮮日報は「野党・共に民主党は内部検討文書の中で、北朝鮮の仕業であるかのように装おうとするのは、戒厳についての根拠をつくるためだが、戒厳宣布された後に作戦を実施すること自体が理にかなっていない、とした」(18日付)とキム・オジュン氏の主張に疑義を唱える論調だ。