韓国戒厳令、「第2次朝鮮戦争」寸前の危機だった? 韓国メディアが報じている“衝撃シナリオ”の全貌
内乱容疑で次々と逮捕
突如、戒厳令を宣布して国民の強い怒りを買った韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案が、2度目の国会採決でついに可決された。前代未聞の展開のウラで、一体何が起こっていたのか。韓国メディア、関係者の証言から紐解く。 【写真を見る】「50代でこの美貌!」キム・ゴンヒ大統領夫人の整形ビフォー&アフター ***
これまで、首謀者とされる金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相、呂寅兄(ヨ・インヒョン)前国軍防諜司令官、辞任した李祥敏(イ・サンミン)前行政安全相、戒厳司令官を務めた朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長、警察庁の趙志浩(チョ・ジホ)長官、ソウル警察庁の金峰埴(キム・ボンシク)長官らが内乱容疑で次々と逮捕・告発された。 さらに、高位公職者犯罪捜査処(公捜処)は職務停止状態となったユン大統領に出頭を要求するなど捜査を加速させている。一方で、ユン大統領のクーデター計画の中に北朝鮮への攻撃が含まれていたとする現地メディアの報道が相次いでいる。もし実行されていたら“第2次朝鮮戦争”の勃発に発展する可能性があった。ユン大統領による戒厳令宣布は極めて危険な“賭け”だったのだ。 それは、どんな作戦だったのか。野党・共に民主党のパク・ポムゲ議員が国会の国防委員会でこう証言している。 「北朝鮮が10月、『韓国のドローンが平壌上空に侵入した』と主張したのは、実際に韓国軍の作戦によるもので、キム・ヨンヒョン前長官の指示だったとの情報を軍内部から提供された。戒厳令を出すためだったからではないか」 これを受けて進歩系のハンギョレ新聞は「北朝鮮の挑発を誘導して非常戒厳を宣布するために平壌に無人ドローン機を送った可能性も十分あるという見解が説得力を増している」(16日付、電子版以下同)と報じている。 平壌上空を飛んだドローン機は半径2キロメートルに騒音が広がる訓練用機材で、北朝鮮軍部を刺激することで南北の局地戦を誘発する目的があったというのだ。京郷新聞は「ヨ前国軍防諜司令官が検察の取り調べに対し、昨年12月ごろユン大統領がキム前国防相やヨ前国軍防諜司令官に『難しい社会問題を解決するのは非常措置(戒厳)しかないのか』という趣旨の発言をした、と話した」(14日付)と報じており、事実とすればユン大統領がかなり以前から戒厳令を計画していたフシがある。 韓国の憲法には緊急事態条項が明記されており、その第77条には「大統領は戦時・事変、又はこれに準ずる国家非常事態において兵力により軍事上の必要に応じまたは公共の安寧秩序を維持する必要があるときには法律の定めるところにより戒厳を宣布することができる」と定められている。非常戒厳令を宣布するためには戦時や国家非常事態、つまり北朝鮮との交戦状態が要件になるということだ。