北九州市立大の学生らが再生した大正の洋館 「門司画廊MoGA」
地域に開かれた場所に!
大正にタイムトリップしたかのような館内には、モダンガールたちが身にまとっていた当時最先端の洋服など約50点が壁一面に並んだ。淺井さんが古道具店や骨董市を回り、20年かけて集めた貴重な品々だ。
最も目を引いたのは、貴婦人らが頭に着けたカワセミのヘッドドレス。淺井さんによると、「日本にはおそらく、これしか残っていない」というもので、1羽のカワセミの剥製が飾り付けられ、ヤマセミの羽根が周囲を彩っている。
ささやかなコンサートも開かれた。大正時代に愛された音楽や、ラジオ中継を録音したレコードを蓄音機で聴く。来館者は100年前の人たちが楽しんだ調べを”追体験”し、往時に思いをはせた。
浴衣姿で接客にあたった市立大3年の古後遥さん(21)は「歴史ある洋館の魅力を生かしながら、アートを楽しむ地域に開かれた場所にできれば」と思いを口にした。 MoGAではこれまで、月替わりのイベントとして、筑豊の炭坑絵師・山本作兵衛の作品展、地元の障害者施設の人たちも参加するマルシェなどを開催してきた。今後は春画の作品展や民族楽器によるコンサートも企画したいという声が仲間たちから上がっているそうだ。
読売新聞