「ブラボー!」高橋藍が雄たけび 全勝の強敵破り「自信になった」
◆バレーボール ▽ネーションズリーグ男子福岡大会 日本 3(25―23、19―25、26―24、25―21)1 スロベニア(8日、北九州市西日本総合展示場) 1次リーグ第2週で、パリ五輪の出場権を持つ日本は、ライバルのスロベニアを3―1で破り、6勝目(2敗)を飾った。2戦ぶりに出場した高橋藍(らん、22)=サントリー=が16得点に加え守備でも躍動。世界ランク5位以内の五輪シードへ圏内の4位を守り、五輪本番前最後の日本開催の試合で強さを示した。次戦はフィリピン・マニラ大会で18日にカナダ戦に挑む。 エースがパリ五輪へ弾みがつく勝利に導いた。セットカウント1―1の勝負の第3セット(S)。セットポイントを握ると、石川のパスに藍が気持ちで押し込んだ。「ブラボー!」と7704人の大観衆に向かって雄たけび。重要なセットを取り切った日本は、最終Sも流れを絶やさず、今大会で初の五輪出場を目指し、開幕6連勝だったスロベニアを止めた。16得点の藍は「みんな大好きで~す! 五輪に関わる相手。勝つイメージを持たせず、勝って、自信になった」と胸を張った。 パリ五輪で、1972年ミュンヘン大会(金)以来のメダル獲得へ。絶対に負けられない一戦だった。7日のポーランド戦は温存された藍は、第1Sからアクセル全開だ。17―19から好判断で後衛ライトに回り強打を出すと、19―19ではフェンスにぶつかりながら右腕一本で拾い、西田の得点につなげ「ギリギリで怖かったが、諦めずに流れを持ってこられた」。石川がコートを離れる場面もあったが、主軸として攻守で貢献。スロベニアに敗れれば世界ランク6位に陥落したが、五輪で上位国との対戦が少なくなる5位以内のシードへ、圏内を守る白星を挙げた。 昨年を上回る成績が五輪につながる。五輪直前の今大会で30日の決勝まで進むと、五輪に特化した練習期間が減る。だが、5月の始動時に「僕たちには決勝を戦う経験が必要」と定めた。メダル争い常連のライバル国に比べてその経験が不足。藍は「五輪でどう戦っていくかイメージを持ちやすくなる」。18日から始まるマニラ大会を含め最大7試合。悲願の五輪メダルに近づくため、自信を積み上げていく。(宮下 京香) ◆男子世界ランキング 〈1〉※ポーランド 〈2〉イタリア 〈3〉※米国 〈4〉※日本 〈5〉※ブラジル 〈6〉スロベニア 〈7〉※フランス 〈8〉アルゼンチン 【注】8日の日本戦終了時点。※は五輪出場権あり
報知新聞社