「逮捕状が出ています」それ全部詐欺です…警察官をかたる手口が増加 弁護士が解説
●その他の手口
なお、「お金を振り込んでもらい、犯罪で得たものかどうかを調査する」というのも詐欺です。そもそも、そのお札が「犯罪で得たものかどうか」を調べたいのであれば、そのお札自体を調べなければなりません。しかし、お札を銀行に振り込んでしまうと、その時点で同じお札かどうかは確認できなくなってしまいます。 また、警察がLINEやその他の携帯アプリで一般の方と連絡を取ってきたり、LINEのビデオ通話で逮捕状を見せることもありません。 令状の呈示は書面で行われており、スマホ画面等の電子機器による令状の呈示は現時点では認められていません。逮捕する場面でもないのに逮捕状を見せることもありません。 このように、警察官がLINEでやりとりをしようと言ってきたら全て詐欺といって良いでしょう。 ほかにもいろいろな手口はあると思いますが、途中の話がどうであれ、金銭を支払うかどうかで、逮捕されるかされないかが変わるという話は全て詐欺といって良いと思います。 細かくいえば、犯罪被害者と逮捕前に示談をすることで、逮捕されない、というケースはありうると思います。しかし、警察からわざわざ「示談すれば逮捕されない」ということを連絡したり、お金の振込を警察が仲介することはありません。
●連絡が来たら
すぐに警察に連絡しましょう。 その際、連絡してきた人(犯人)が教えてくれる電話番号は嘘の番号である可能性が高いですから、ご自身で警察署の電話番号を調べて電話するか、すぐに信頼できる知り合いに連絡を取って、一緒に警察に連絡する、などの対応をすべきだと思います。 やってはいけないのが、焦って一人で対応してしまうことです。警察から連絡が来る、という状況は多くの人にとって慌ててしまうと思いますが、身近な人や、本当に警察だとはっきり分かっている人とつながることが大切だと思います。 (弁護士ドットコムニュース編集部・弁護士・小倉匡洋)