新人・中野恵里花が今週デビュー戦 「ワクワクと緊張」の初戦に向けた秘密特訓とは
昨年のプロテストに合格した24歳の中野恵里花が今週の「アクサレディス in MIYAZAKI」でデビュー戦を迎えた。ゴルフ専門動画アプリALBA TVのドキュメント番組「ドキュメント18 イチハチ」の密着取材でデビュー戦前の心境を語っている。 【美人プロがデビュー】中野恵里花に密着して見えたもの 課題と将来の夢とは ■6度目のプロテストで合格 5年ぶりツアー出場へ 今年の1月25日、中野の24回目の誕生日にビッグなプレゼントが届いた。「アクサレディス in MIYAZAKI」に主催者推薦で出られることが決まったのだ。「デビュー戦にあるのでワクワクと緊張とすごく楽しみです」と中野は目を輝かせる。LPGAの正会員になって初戦となるが、中野にとっては5年ぶりのツアー出場である。 龍谷大平安高校を卒業した2018年にプロテストを受けて不合格。当時はプロテストに合格したLPGA会員でなくてもツアーの出場権をかけたQTの受験が認められていた。中野は18年度のQTで64位に入り、TP単年登録をして19年にツアーに出場。レギュラーツアーは4試合に出場し、すべて予選落ちだったが、下部のステップ・アップ・ツアーでは17試合に出場して「カストロールレディース」、「フンドーキンレディース」で3位タイに入った経験もある。 しかし、19年度からQTの制度が変わり、プロテストに合格したLPGA会員にならなければQTに出場できなくなった。つまりプロテストに合格しなければツアーに出られなくなったのである。中野は19年以降も合格率3パーセントといわれるプロテストをクリアすることができず、昨年6度目の挑戦で晴れて正会員の証を手に入れた。 合格できた要因として次のように話した。「いままでの5回は自信があっても現場にいくと不安が合って打てないというのがあったんですけど、6回目はそれがなくて意外と自分のゴルフができていたので手応えがありました」と胸を張る。 小学5年生から指導を受ける花ヶ﨑光広コーチと日々の鍛錬の積み重ねはもちろんのこと、昨年は「マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー」やミニツアーに出場する際に、「同じルーティン」を貫いた。スタートの4時間前に起床。ジムで体を動かしてから1時間30分前にゴルフ場に到着して練習をする。どの試合にいってもこのルーティンを貫くことで落ち着いて自分のゴルフに集中できるようになったのが大きいと話す。 ■総合力アップを目指して成長中 プロテスト合格はただの通過点。ツアーで活躍するために花ケ崎コーチとテーマにしているのが「すべてのショットで平均以上」と総合力のアップを掲げている。「ドライバーからパターまですべての技術をかなりレベルアップさせないと上の方では戦っていけない。ドライバーも飛距離を伸ばしつつ、方向性もよくしてと…」と取り組んでいる。 花ケ崎コーチは成長を感じている。「左に引っかけてしまったり、プッシュアウトしたりといろんな球が出ていたんですけど、それを片方、確実に左、確実に右と打てるようになったのはまずは強み」。5年前はアイアンショットに不安がありレギュラーツアーで結果は残せなかったが、成長した姿を見せたい。 またデビュー戦が決まってから「秘密特訓」として取り組んできたのが、数字通りの距離を打つことである。 ■数字通り打つアプローチ練習が“秘密特訓” 「アプローチで30ヤード打ってといわれて、数字だけで打つのが苦手。今までは(グリーンを見て)感覚だけで打っていたんです」と数字よりも感覚重視でアプローチをしていた。感覚を重視する結果、ショートすることが多かった。「砲台グリーンとか数字を信用して打たないといけないんです」と花ケ崎コーチは付け加える。 弾道計測機のトラックマンが表示した数字通り打つことを徹底。当初は28ヤードに対して27.5ヤードとほぼぴったり打てるときもあれば、46ヤードに対して36ヤードと大きくずれることもあったが、日々誤差が小さくなってきた。 多くのギャラリーの前でプレーできるのがツアーの醍醐味。「今はまだへたくそなんですけど、100ヤード以内をすごく練習しているので、パー5はどんどん攻めて50ヤードぐらいをピタッと寄せる姿をお見せできたらいいなと思います」。ワクワクと緊張のデビュー戦。二人三脚で成長してきた花ヶ崎コーチをキャディに従えて夢への一歩を踏み出していた。