Xのブロック仕様変更で高まる期待、SNSの「Bluesky」に1週間で36万人が殺到、「カスタムフィード」機能で実現する新しいインターネットの広場
この特徴は、企業のPRという観点からは一見デメリットに思えるかもしれない。しかし、タビオはこれを逆手に取った見方をしている。タイムラインが「無数のノイズで占められない」ため、逆に企業のメッセージがより伝わりやすくなる可能性があるというのだ。 タビオは今後のBlueskyの活用について、「長くお付き合いできるユーザー様とつながること」を期待している。同社は、現在の企業SNSの役割において「目立つ」ことよりも「信頼できる姿勢」を示すことが重要だと考えており、その姿勢を感じてもらうための取り組みに注力する意向だ。
しかし、タビオのような先進的な事例はまだ少数派だ。多くの企業は、Blueskyの将来性を見極めている段階にあり、本格的な活用にはまだ踏み切っていない。ユーザー数の増加や機能の充実、さらにはマーケティング効果の実証などが進めば、今後より多くの企業がBlueskyに参入する可能性がある。 Blueskyが企業にとって魅力的なプラットフォームとなるかどうかは、ユーザーとの新しい関係性の構築や、従来のSNSとは異なる形での情報発信が可能になるかどうかにかかっている。タビオの事例は、そうした可能性を示す先駆的な取り組みと言えるだろう。
■ユーザー主導のソーシャルメディア Bluesky PBCのCEOであるジェイ・グレーバー氏は、Blueskyの目標について次のように語っている。「Blueskyの最終目標は、誰もが自分たちの体験を自分自身で制御できるようになることだ。特定の人たちが強大な力を持つことは望ましくない」。 また、Blueskyの開発者であるジェレミー・ジョンソン氏は、さらに具体的なビジョンを示している。「Twitterで起きたような、誰かがやってきて現状を変えて、これまで築いていたコミュニティを完全に破壊するようなことは、Blueskyでは起こしてはならない。例えプロトコルの1つが故障したとしても、他のサーバーを存続できる。それがAT ProtocolとBlueskyの望ましいあり方だ」。