Xのブロック仕様変更で高まる期待、SNSの「Bluesky」に1週間で36万人が殺到、「カスタムフィード」機能で実現する新しいインターネットの広場
日本の開発者たちの活動は、Blueskyの分散型アーキテクチャの可能性を実証する具体例となっている。彼らの貢献により、プラットフォームの多様性が増し、特に日本のユーザーにとって使いやすいサービスが次々と登場した。 これは2010年代前後にTwitterが急成長していたころのエコシステムと似ている。その後Twitterは開発者向けのAPIを遮断してエコシステムは途絶えたが、分散型SNSであるBlueskyの場合は同じ轍を踏まないだろう。
BlueskyのAT Protocolは、誰でも自由にアプリやツールを開発できる仕組みを提供している。これは2010年代初頭のTwitterのように、開発者が自由に創意工夫を凝らせる環境だ。日本の開発者たちも独自のアプリを次々と生み出しており、Blueskyをより便利で多様なプラットフォームにしている。 TwitterはXに生まれ変わり、外部開発者による開発を制限するようになったが、Blueskyは分散型の仕組みを採用することで、誰もが参加できるオープンな環境を守れる。そこがXとの違いだ。
■無数のノイズで占められない Blueskyは個人ユーザーを中心に急速に成長を遂げているが、企業の公式アカウントはまだ少ない。しかし、先進的な企業の中には、このプラットフォームの可能性に着目し、積極的に活用を始めているところもある。 その一例が、靴下専門ブランドのタビオだ。タビオは、Blueskyの一般公開と同時にアカウントを開設し、その日のうちにカスタムフィードも実装するなど、新しいプラットフォームに対して積極的な姿勢を見せている。
タビオのSNS担当者によると、Blueskyアカウント開設の主な目的は「会社の姿勢」や「商品」について知ってもらうことだという。同社は「できる限りのプラットフォームを活用したい」という方針のもと、一般ユーザーへの解放を機にBlueskyの使用を開始した。 タビオは、Blueskyのユーザーについて「“目立つために発信する”という意識が低い傾向にある」と評価している。むしろ、そうした姿勢に疲れた人々が多く集まっているという印象だ。バズることを意識しないでいいという共通認識が、投稿する側と見る側の両方に存在していることが、現時点でのBlueskyの大きな特徴だと捉えている。