多くの人に優しさを テディベア作家の滝川さん
多くの人に縫いぐるみの優しさを届けたい―テディベアの魅力を発信しようと岳麓地域で活動している人がいる。テディベア作家の滝川喬是さん(40)=長野県富士見町乙事=だ。現在は個人事業主として人形を販売する傍ら、土日祝日には以前勤務していた白樺湖畔の蓼科テディベア美術館で自作のキットを用いた製作・わた詰め体験のワークショップ(WS)を開いている。 滝川さんは埼玉県出身。幼少期に祖父母から贈られたクマの人形が大のお気に入りだった。就職後はIT関連や物流など職を転々としていたが25歳ごろに友人の結婚式で受付に飾る「ウェルカムベア」を作ったことが人生の転機となった。 滝川さんは「今思えば出来栄えは悪かった」と回想。しかし、新郎新婦とその家族に「とても喜んでもらえた」ことが励みとなり、約2年後にテディベアと関わる仕事に就こうと決意した。2010年に同美術館で仕事を始めるため茅野市に移住。現在は独立を果たし、富士見町の自宅兼アトリエで生活している。 「量産される縫いぐるみとは異なり、一点一点を手作業で作り上げるため、気持ちがこもりやすい」と滝川さん。「テディベアの魅力は優しさにある。愛情を注ぐうちに家族のような存在になってくる」と熱弁する。 同美術館でワークショップを定期的に実施するようになったのは24年9月から。これまでに延べ約200人が体験した。滝川さんは「”モノ”があふれるこの時代、自分で手作りした人形は宝物になる。作業自体も楽しいので興味のある人はぜひ参加してほしい」と呼び掛けている。 わた詰め体験(所要時間30分~)は3300円、製作体験(90分~)は4000円。問い合わせは同美術館(電話0267・55・7755)へ。