「津山事件もワタクシがやった」 兵庫女児殺人未遂、容疑者が手紙
2004年に発生した岡山県津山市の小学3年女児=当時(9)=殺害事件で無期懲役判決が確定し、今月7日に兵庫県の小学4年女児への殺人未遂容疑で同県警に逮捕された容疑者(45)が、津山事件での犯行を認める手紙を書いていた。受け取ったフリーライター高橋ユキさん(50)=東京=が26日までの山陽新聞社の取材に明らかにした。容疑者は津山事件の公判で無罪を主張して最高裁まで争ったが、手紙には〈津山事件もワタクシがやったんですよ〉と記していた。 手紙は服役中の9月12日付の消印。兵庫県内での殺人未遂事件と、さらに別の女児に対する殺人事件への関与を認めた上で津山事件について〈ワタクシが―〉と記述。続けて〈嘘(うそ)をついていて、たいへん申しわけありませんでした〉〈今後詳しく正直にお話ししますね〉とつづっていた。丸みのある特徴的な字体で、一部には赤、青色の筆記具を用い、下線も引いていた。 高橋さんによると、岡山地裁で容疑者の公判が開かれていた21年11月から月1回ほどのペースで文通し、この手紙までは一貫して無実を訴えていた。容疑者が3事件への関与を認めた理由については今月中旬、接見した弁護士から「『刑事さんが背中を押してくれ、人として人間の心を忘れてはいけないと思ったから』と話していた」と聞かされたという。 高橋さんは「あまりに突然で驚いた。何が本当なのか、慎重に見極めなければならない」と指摘。「兵庫の二つの事件についても再び供述を変える可能性があり、捜査や公判の行方を注視したい」と話している。 津山事件で容疑者は、任意段階で犯行の経緯を具体的に説明した一方、公判以降は「事件当日に津山市にはいなかった」などと否認に転じた。7月4日付の消印で山陽新聞社に届いた手紙でも同様に無実を訴え、再審請求の意向を示していた。 津山事件は04年9月3日に発生。有力な手がかりがなく捜査は難航したが、類似事件を調べる中で服役中の容疑者が浮上し、岡山県警が18年5月に殺人容疑で逮捕した。