韓国で広がる「不正」「腐敗」「疑惑」、いま韓国が直面している「大いなる試練」
“被告”たる李在明代表が勝利する韓国
韓国で4月10日にあった選挙で大敗した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、4月29日、大勝利を収めた野党『共に民主党』の李在明代表と会談を行った。この会談は尹大統領から持ちかけた会談だが、両者の会談は大統領就任後初めてという。 【写真】文在寅の「引退後の姿」がヤバすぎる…衝撃ショットを見る! それもそのはずで、選挙の大敗を期するまでは、大庄洞問題(土地開発不正疑惑)など7つの事件に関連する10の容疑で起訴されている“被告”と実際に会うのはそう簡単なことではなかったはずだ。ちなみに、李在明代表の裁判は今も継続中だ。 そんな中で行った会談で李在明代表は「国政の転換を求める総選挙の民意を尊重してほしい」と話したという。この言葉を聞き、私はため息しか出なかった。 もう一度言うが、李在明代表は「被告」として10の容疑で起訴されている人物だ。今回の選挙中には『共に民主党議員』の41%以上が前科者だと報じられて、波紋が広がったことも記憶に新しい。そうした者たちを議員に押し上げたことが韓国の「民意」なわけだ。 そうした中で行われた会談において、李在明代表は「行政の権力で国会と野党を屈服させようとすれば国政の成功は容易ではない」と話し、尹大統領が行っている反国家勢力一掃に対して苦言を呈したという。さらに、「家族らのさまざまな疑惑も整理してほしい」と大統領夫人への疑惑に対しても話したというが、誰の口がそれを言うかと思ったのは私だけだろうか。それこそ、まずは自分の疑惑と周りの前科者議員を何とかしてほしいと思う。
不正が蔓延
野党が総選挙時に掲げた国民1人当たり25万ウォン(約2万8000円)を「民生回復支援金」として支給することについては、「ぜひ受け入れることを願いたい」と促したというが、韓国では1~3月期の財政が足りず、韓国政府は韓国銀行からマイナス通帳(カードローン)で32兆ウォン(約3.6兆円)を借りて、足りない財政を補っているのが現実だ。 国民はこんな財政状態を理解した上で支援金を望んで票を入れたのだろうか。 結局、会談は双方の違いを確認するにとどまり、これからも会おうとお互いリップサービスで終わったようだが、2回目の会談はないように私には見えた。 そうした中、韓国では中央選挙管理委員会と各地の選挙管理委員会が過去10年間に行った公務員中途採用で、不正や規程違反があったことが監査院の監査によって明らかになったと話題になっている。 具体的には、選管職員の息子・娘などが不正に採用されていたという。こういったコネを使った就職は珍しくはないが、長年蔓延していた腐敗であったことに憤りを感じる。 私も貿易コンサルをしながら数年前にどうしても間に合わない荷物を税関で通してもらった記憶がある。月曜日の朝には必要な品が釜山港に土曜日の夜に届き、すぐ出さなければという時に相談した韓国の貿易事業者が、「知り合いの税関の課長に5万円出せば日曜日の早朝に出せる」と連絡が来たのだ。