老舗百貨店再建へ、まずエディオンと丸善が10月出店 鹿児島市の山形屋 9月末閉店「What」同フロアに
山形屋(鹿児島市)の文具雑貨店「What(ホワット)」(2号館5階)が9月30日に閉店後、家電量販店「エディオン」と文具専門店「丸善」が同フロアに出店することが分かった。Whatを運営する山形屋の経営再建に向けた事業再生計画の一環。高い専門性や充実した品ぞろえにより、利便性向上と新規顧客獲得などを狙う。 【写真】〈関連〉「エディオン鹿児島山形屋店」出店に向け改装中の店内=8月30日、鹿児島市の山形屋
店名は「エディオン鹿児島山形屋店」と「丸善山形屋店」。ともに10月1日オープンする。きりしま国分山形屋(霧島市)に出店する「エディオン鹿児島国分山形屋店」が好調なほか、丸善はWhatと同じ文具雑貨を扱うことから山形屋が出店を打診した。 エディオンは売り場面積244平方メートルの小型店で、冷蔵庫や洗濯機など約1500種類を扱う。丸善の売り場面積は約157平方メートル。Whatで人気だった鹿児島グッズなどをそのまま取り扱うほか、万年筆などの高級筆記具を拡充する。 山形屋営業本部の瀬戸川直人MD担当部長(56)は「社内の業務効率化も図れる。お客さまが買い回りしやすいよう、フロア全体の連動性を重視していく」と話した。 山形屋の事業再生計画は5月、メインバンクの鹿児島銀行を含む債権者の全17金融機関が合意。収益性向上と組織・人員体制のスリム化、不動産売却などを柱に、5年間で事業見直しと財務健全化を目指す。
南日本新聞 | 鹿児島
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