【280ZG】「このスタイルはあくまでもパロディーで、レプリカじゃありません」240ZGをモチーフにした S130ZのZGスタイルが降臨|ホットプロダクトレポート
乱メリ♯73号車仕様のケンメリに、DR30用のカーボン2トーンキットなど、話題の外装パーツを連発するリスタード。ここで紹介するのは同社の最新作、S130ZがターゲットのダイナミズムエアロKITだ。人気の240ZGをモチーフにした、リスタードらしい遊びゴコロあふれるスタイリングで、その名も「280ZG」だ! 【画像17枚】このエアロキットの設計コンセプトとなる「元に戻せる」を具現化するデザインレプリカではなく、あくまでもパロディー 【ホットプロダクトレポート vol.1】 旧車上級者でないと、もしかしたら見間違えるかもしれないほどの完成度。S130Zをベースとする、この280ZGを開発した「リスタード」は、日産からトヨタ、マツダ車にいたるまで、車種を問わず、さまざまな旧車のボディ部品を製作しているカーボン&FRPパーツの製作工房だ。2009年。工房を、ピットを併設した現在のファクトリーに移してからは、パーツだけではなくカスタム&チューニングの提案や、レストアやコンプリートカーの製作もスタートさせている。新スタイルの提案を兼ねたデモカー製作は、おおむね1年にワンテーマのペースだ。 日々、パーツの製造に追われながら、空き時間を見計らっての開発らしく、「年に1台くらいが精一杯」と稲田征次代表は苦笑する。ただ、そうはいうものの、さすがは大の旧車好きであり、カスタム好き。新しいスタイリングやデモカーの開発は大きな楽しみになっている。 今回カスタムの題材に選んだS130Zは、稲田代表が18歳の時に運転免許を取って初めて購入した思い出のモデルだ。若い頃にあこがれた、その気にさせるクルマをモデルに、いつものようにリスタードらしい、他にはないスタイリングの構想をじっくりと練り上げた。そして思い立ったのが、自社のS30Z用Gノーズキットをベースとする、S130ZのZGスタイルの提案だ。高騰する240GZのスタイリングを、比較的入手しやすいS130Zで楽しめるようにするという、ユニークな企画。あくまでもユーザー目線で、大掛かりな加工を必要とせず、元に戻したくなれば戻せることもコンセプトの柱の一つとした。 S130Z用の新しいエアロキットの開発は、まずはベース車両探しから始まった。群馬で見つけたという車両は不動車で、劣化も進んだなかなかの手強さ感。しかし、「ヤレているほうが萌える」という稲田代表には、最高のベースに見えた。欠品パーツが少なく、さらにL28型エンジンがN42ブロックの前期型であったことも決め手になった。 製作は、いつものように、日常業務の合間を見て行われた。車両のレストアとエアロの製作を同時進行するため、労力も時間も倍かかる。エアロの製作で先陣を切って行われたのは、自社のS30Z用Gノーズを、S130Zボディに合わせて加工する作業だ。ロワノーズは車幅に適合させ、パテでボリュームアップして再成形。アッパーノーズは、車両に合わせて新たに作られた。 リアまわりは、このエアロキットの設計コンセプトとなる「元に戻せる」を具現化するデザイン。中でも、もっとも力が注がれたのが、リアのスカートパネルを240ZG仕様に手軽に変更できるようにするスムージングパネルの開発。フロント以上に、S30Zとは意匠が大きく異なるため、大手術が必要かに見えるリアまわりのカスタムだが、実はパネルを装着するだけ、というイージーさ。取り外せば、いつでも元に戻せる設計になっている。 ZGスタイルを演出するには、テールランプのワンテール化が必要不可欠だ ZGスタイルを演出するのに不可欠な、テールランプをワンテール化するためのテールガーニッシュも用意。こちらは、テールランプを固定する専用パネルを製作し、S30Z(前期)のワンテールが、そのままボルトオンでセットできるデザインになっている。 ウイングは、240Zのオプション品をベースに幅を広げ、オリジナルの跳ね上げの角度を保ったまま、S30Zのリアゲートにフィッティングさせている。さらに、ZGスタイルには欠かせないオーバーフェンダーは、当初、既存のS30Z用を流用する計画だったが、アーチ幅が微妙に合わず断念。フィッティングの完成度を高めるために、専用品が新規で開発された。 そして今回、リスタードが280ZGのイメージカラーとして選んだ色は、キャンディーパールマルーン。240ZGのイメージカラーよりも、少し明るく華がある、このカラーにした理由を、稲田代表はこう話す。 「このスタイルはあくまでもパロディーで、レプリカじゃありません。だから色も、ちょいハズしで(笑)。見る人に遊びゴコロを感じてもらえるように、明るい印象に仕上げました」。 エンジンルームに収まるL28型エンジンは、N42ブロックのノーマルスペック。現状はオーバーホールのみで、吸排気系をチューンアップ。キャブはウエーバー45DCOE、排気系はパーツアシスト製のタコ足とマフラーを装着。足まわりはビルズの車高調を組み込み、ホイールはボルクレーシングTE37V SLの17インチを組み合わせている。 デモカーのチューニングはこれからも進むが、スタイリングを構成するボディパーツは完成。すべて型取りを終え、製品化がスタート。ツワモノ揃いのイベント会場でも、注目を集めること間違いなしのS130Zベースの280ZG。よりロングノーズ、一段とショートデッキ。あこがれのZGタイルがS130Zで実現する!
Nosweb 編集部