金箔の「翼」で金沢スタジアムPR ツエーゲン元主将の会社寄贈 原作・高橋陽一さんのサイン入り
ツエーゲン金沢の新たな本拠地となる金沢ゴーゴーカレースタジアムに、金沢伝統の縁付金箔（えんつけきんぱく）と有名漫画「キャプテン翼」が融合したアート作品が展示される。ツエーゲン元主将で金沢箔製品の企画販売会社を経営する諸江健太さん（38）が、原作者・高橋陽一さん直筆のサインを入れた特注品を市に寄贈する。世界的な人気を誇る「翼」とともに、金沢スタジアムからサッカーの魅力を広めてほしいとしている。 諸江さんは2014年の引退後、ゴールデンバロール（瓢箪町）を設立した。「キャプテン翼」創刊40周年の21年、同作とのコラボレーション作品（75センチ四方）の限定販売を始めた。金箔、プラチナ箔の2種類で、主人公の大空翼とゴールキーパーの若林源三が競り合う場面が描かれている。 北陸初のサッカー専用スタジアムの誕生を盛り上げ、金沢に400年以上息づく縁付金箔やサッカーの発信に役立てようと、諸江さんは市に作品の寄贈を提案。金箔、プラチナ箔の2点を特別に制作することにした。高橋さんには直筆サインと「to 金沢スタジアム」、非売品を意味する「AP」を書いてもらうよう依頼し、承諾を得た。 「育ててくれたサッカーに何か貢献したかった」と語る諸江さん。スタジアムの特徴であるピッチと観客席の近さについて「すごく魅力的。プレーできる選手がうらやましい」と話す。 市は3階にある来賓向けの「VIPラウンジ」の壁に作品を飾る予定。レールにワイヤでつるし、取り外して他の場所に展示することも検討する。スポーツ振興課の担当者は「世界に知れ渡っている作品。世代を超えて楽しんでほしい」とPR効果に期待する。 諸江さんは「生まれ育った金沢にできたすてきなスタジアム。市民の夢をつくる場所になってほしい」と願った。能登半島地震の甚大な被害に触れ、「地域に少しでも明るい話題を届けたい」と力を込めた。
