RIZINが来週にも公式見解発表も。メイウェザー対那須川が中止となる前兆サインはあった?!
メイウェザーは、饒舌だったが、「真剣勝負」という言葉を使ったのは一度きり。海外で行う初の試合になることについて聞かれたときに「対戦は、どこで行うかにかかわらず、真剣勝負」と答えただけだった。後は「スキルを見せたい」「素晴らしいエンターテイメントをお見せしたい」「猪木ーアリ以上の最高のショーを見せる」という発言に終始していた。そのコメントからもエキシビジョンの匂いはぷんぷんしていたのである。不可解なサインは充満していた。 そして、写真撮影では、こんな小さな事件があった。 全員でムービー、スチールと順に撮影、次に2人の撮影となったが、メイウェザーは途中で切り上げてさっさと引き上げてしまったのである。「ザ・マネー」が、そこまで黙って写真撮影に応じていたのが不思議だったが、さすがにむっとしていたようにも見えた。 「むかついていたんじゃない。帰国の飛行機の時間があって」と、榊原実行委員長は、そう説明していたが、「同意も承認もしていなかった話を不意討ちされた」会見に引っ張りだされて、“いつまでも写真とってんじゃねえよ!”という気持ちだったのかもしれない。 それにしてもである。 改めて会見でのメイウェザーのコメントを検証すると「RIZIN以上の素晴らしい会社はない。アンビリーバルな素晴らしい会社だ」と、RIZNに対するお世辞のオンパレードだった。 「私がチームと記者会見に出席すると、このイベントは、完全に新たな方向に逸脱していた。私は、そこですぐに降りておくべきだった」と、インスタで明らかにしていたが、そういう「不意打ちで話が違う」的な不快感や、戸惑いを会見の中で感じ取ることができなかった。 またメイウェザーは「公式試合に同意していない」と主張しているが、実は、RIZIN側も、公式試合とは一度も言っていないのだ。榊原実行院長も「喧嘩、果し合い」という格闘技用語を使ったが、「50試合無敗の記録に追加される公式試合ではなく非公式な試合になる」と語っていた。 つまり、RIZIN側の会見は、限りなく公式試合に近い真剣勝負的に演出はされていたが、ルールや体重問題も未定で、すべてが灰色だった。その裏には、試合直前に、限りなくエキジビジョンマッチに近い形にして決着をつける考えがあったのかもしれない。 しかし、海外メディアが、どんどんこの試合を発信したことで、“アジアの片隅にある日本で軽いエキシビジョンで10億の小遣いを稼ごう”と、甘く考えていたメイウェザーが焦ったのが真相ではないだろうか。このまま体重差が10キロ以上あり、世界的には、無名の那須川とのエキシビジョンマッチが、公の評価の対象になってしまうと、来年にもくろんでいる元6階級王者、マニー・パッキャオか、2人のUFCの対戦候補選手との「100億円マッチ」の価値やブランディングが下がると危惧したのかもしれない。 いずれにしろメイウェザーのインスタ投稿の中身は全部が全部信用できるものとは限らない。まだ藪の中にある、この問題の真相について、来週、RIZINサイドが、どこまで踏み込むのか。RIZINが、予告した正式アナウンスに注目が集まる。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)