専業主婦だった母親の年金額は「6万円」だそうです。正社員の私は受取額がそれより下回ることはないですよね?
令和6年度における老齢基礎年金の満額は、月額6万8000円です。専業主婦の場合、年金月額が6万円前後になるのはよくあるケースといえるでしょう。一方、正社員として働いて厚生年金に加入している場合は、老齢基礎年金に加えて老齢厚生年金を受給できます。 本記事では、年金制度の仕組みや将来に備えるための工夫について解説します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
正社員で働いていれば厚生年金を受給できる
日本の年金制度は、国民年金と厚生年金の2階建てです。正社員で働いていると厚生年金保険に加入するため、65歳以降に老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給できます。 一方で、専業主婦は国民年金しか受給できません。令和6年度における老齢基礎年金の満額は月額6万8000円なので、1ヶ月間に6~7万円程度でやりくりする必要があります。 受給できる国民年金の金額は、20歳から60歳の期間における国民年金の納付月数によります。40年間の保険料をすべて納めると、満額の老齢基礎年金を受け取ることが可能です。一方、保険料を納付していない期間や免除を受けた期間がある場合は、所定の減額が行われます。 老齢厚生年金は、納めた保険料が多いほど受給できる年金額も増える仕組みです。そのため、今回の相談者のように正社員で働いている方で、長期間にわたって厚生年金に加入すれば受け取れる年金額も増えます。
独身者が老後生活に備えるために必要なこと
総務省の「家計調査報告(2022年)」によると、65歳以上の単身無職世帯の実収入は13万4915円でした(そのうち12万1496円が社会保障給付)。 消費支出は14万3139円となっており、毎月約1万円の赤字が発生していることが分かります。相談者がこのまま独身のライフスタイルを選択した場合、老後生活に突入すると年金だけでは老後の生活費をカバーしきれない事態を想定する必要があります。 「家計調査報告(2022年)」の結果はあくまでも平均値とはいえ、ざっくりと「自分でも老後生活に備えて資産形成を行う必要がある」というイメージを持っておきましょう。 資産形成を行ううえで有効活用すべきは、新NISAとiDeCo(個人型確定拠出年金)です。特に、iDeCoは60歳まで引き出せない制度となっており、公的年金の上乗せとなる私的年金を計画的に用意できます。 iDeCoは毎月(あるいは毎年)掛金を拠出して、自分で運用商品を選択する点が特徴です。運用席益は非課税で、拠出した掛金は全額所得控除の対象となるため、節税しながら老後資金を用意できる制度といえるでしょう。 年金作りに特化せず、柔軟に資金を引き出したい場合は新NISAを活用しましょう。新NISAはiDeCoとは異なり、必要に応じて資金を引き出せます。iDeCoと同じく、運用益が非課税となるため、資産形成を進めるうえで有効活用すべき制度です。 引き出した資金の使途は自由なので、老後生活に備えて運用するのはもちろん、ライフイベントや自分の趣味を楽しむ目的でも利用できます。将来の年金給付額に不安を感じている場合は、早い段階から資産形成に着手すべきでしょう。