個人情報の塊!?120%実体験の“痛ぶる恋”
若手実力派俳優・望月歩さん、俳優に加えシンガーソングライターとしても活動する小川未祐さん、多くのティーンから支持を集めるスリーピースロックバンド“This is LAST”全曲の作詞・作曲を手掛けるボーカル&ギターの菊池陽報さんにインタビュー! “芝居”と“音楽”――表現者としてお互いに分かり合えるものが!? 【動画】This is LASTの楽曲の世界観を映像化
俳優陣も“歌詞は120%実体験”に衝撃
――This is LASTの楽曲は若い世代に共感を得ていますが、菊池さんはどんな風に曲を書かれるんですか? 菊池「歌詞を書く時は、日記に近い感じで思い出したことを書いています。120%実体験で、“個人情報の塊”のような曲を書き続けてきたのですが、それに共感してもらえていると思うと、いろいろと辛い想いをしてきて良かったなと、報われた感じがします(笑)」 望月「実体験だとはお聞きしていましたが、“実体験をベースに”されているのかと思ったら、120%実体験だったとは! いろんなキツイ思いをされていたんですね」 菊池「あったことを書いているだけで、盛ってないですから(笑)。上手くいかなかったことが別の形で昇華できているので、良かったのかなと思っています。でも、(歌詞として)書いたからといってスッキリするわけではないんですけどね」 ――書き下ろしの楽曲「アウトフォーカス」は、どのように作られたんですか? 菊池「今回は企画の段階から“カメラ”や“映像作品”というヒントがあったので、そういうものに対して自分がこれまでに描いてきた恋愛観などをどのように当てはめていくかという世界観の作り方、歌詞の書き方をしていきました。まずはカメラの勉強をして、撮る側の気持ち、撮られる側の気持ちを考えて、どういう気持ちでカメラに向き合うべきなのかというところを固めてから歌詞を描き始めました」
――そういうとことも体験されるんですね! 菊池「そうですね、やはり気持ちがわからないと書けないので。今回は、“その子”のことを観ていると言いつつも、ピントが合ってないぼやけた“アウトフォーカス”の部分が気になっている。でも、そこに気付かないふりをすることで一緒にいられる…という、ちょっと痛々しい部分に僕自身が“フォーカス”をあてて描きました」 望月「そういうところまで勉強されたり体験されたりして曲を書かれているとは。菊池さんは曲で、僕達は演じるという表現の方法の違いはありますが、表現者として共通するものがあるんだなと感じました」 小川「菊池さんも曲を作られる上で、私たちが役の気持ちを作るのと同じ作業をしていらっしゃるんですね」 菊池「そうかもしれないですね。僕はいつも歌詞を先に書くタイプで、自分の頭の中で、起こっていることを情景として浮かべて、どこを切り取ったらどう伝わるのかを考えながら書いていくんです。なので、表現者としては共通するところがあるのかもしれないですね」 望月「曲を聴きながら、部屋が何畳とかすごく描写がリアルなので“これって実体験なのかな?”と想像を膨らませていたのですが。お話を聞いて改めて“本当に個人情報の塊だ”と思いました」 小川「私も、歌詞を拝見して“本当にこういう気持ちを体験されたんだろうな”と感じていました。それくらい言葉がリアルで、景色や情景が浮かんできて、匂いが立ち込める歌詞で。気持ちを重ねながら歌詞を読み込んでしまいましたね」 菊池「なんか恥ずかしいっすね(照)」 望月・小川「ははは(笑)」 菊池「実体験を不特定多数に公開しているわけですから、友達からも『お前、大丈夫? 大変だったな』と電話をもらったりして…その度に恥ずかしくなるんですよ(笑)。で、我に返るというか」 小川「人に見られたくないところですもんね」 菊池「そうなんですよ! まさに今、この瞬間、我に返って恥ずかしくなってます(笑)」 望月・小川「ははは(笑)」 ――役者としては、芝居の中に自分が出てしまって恥ずかしくなるような感覚はありますか? 望月「お芝居は物語に沿わせていく感覚なので、菊池さんの歌詞のように120%実体験を演じるという感覚とは少し違うのかもしれないですね。でも、笑い方とかには素の自分が出やすのかも。笑い声のトーンはコントロールできない部分でもあるので」 小川「あとは、セリフの後にアドリブで演技をすることがあるのですが、そういう瞬間には素がにじみ出ているかもしれませんね」