「がん」10年後の生存率を発表 「食道がん」「胃がん」「乳がん」「前立腺がん」など
国立がん研究センターが、国が指定するがん診療連携拠点病院等(341施設)で、「がん」と診断された約36万人のデータをもとに、2011年から10年生存率を集計し発表。「全がん」のネット・サバイバル(「がんのみが死因となる状況」を仮定して計算する純生存率)は53.5%だった。 【画像】「卵巣がん」「膀胱がん」ほか…10年後の生存率 調査依頼した611施設のうち、449施設から10年予後情報付腫瘍データ約57万例が提供され、そのうち「自施設診断・自施設初回治療」や、悪性新生物「腫瘍」(新生物「腫瘍」の性状コード3)であること、0歳から99歳などの条件を満たす341施設、36万3521例を集計対象とした。 同所は調査結果について「これまで治癒の目安として、5年生存率が用いられることが多かったのですが、乳がん(女性)3期や子宮頸・子宮体がん3期、甲状腺がん(乳頭濾胞癌)4期など、がんや病期によっては5年以降も長期的フォローアップが必要なことがわかりました」と分析。「今後データが蓄積されることで、より詳細な集計ができるようになると期待されます」と報告した。 ■主な調査結果 (2011年診断例の10年生存率集計結果より一部抜粋) 【全がん】 全体:53.5% 【食道がん】 ステージ1:59.9% ステージ2:34.7% ステージ3:16.7% ステージ4:7.1% 全体:31.8% 【胃がん】 ステージ1:77.6% ステージ2:48.9% ステージ3:32.0% ステージ4:5.9% 全体:56.8% 【女性乳がん】 ステージ1:94.1% ステージ2:86.6% ステージ3:62.7% ステージ4:16.9% 全体:82.9% 【子宮頸がん】 ステージ1:91.6% ステージ2:71.8% ステージ3:52.5% ステージ4:19.0% 全体:68.1% 【前立腺がん】 ステージ1:93.7% ステージ2:95.4% ステージ3:87.3% ステージ4:37.4% 全体:85.4%