「103万円の壁」撤廃でスキマバイト関連企業に勢い 実現なら25年の株式市場席巻か 「タイミー」「パーソルホールディングス」など
【株式フジ】 国民民主党の玉木雄一郎代表に不倫スキャンダルが浮上したことで、失望した有権者は一定数いると思われます。株式市場も無関係ではなく、同氏が釈明会見を行っている時間帯に日経平均がやや伸び悩みました。 ただ、その後、国民民主党の両院議員総会で玉木氏が代表職を続けることが決まりました。「政策実現に向け頑張ろう」という方向で一致したと思われます。衆院過半数のキャスチングボートを握る同党の信用低下を本来的に望んでいるわけではないのです。 国民民主党の目玉政策は「年収103万円の壁」の撤廃です。幅広い層に「減税の恩恵」があり、労働人口を増やし、人手不足を解消する効果も期待できるものと認識されます。 「結果、手取り額が増える」として歓迎する有権者は多く、石破茂首相(自民党総裁)も「与野党協力して進めるべき政策について進めていこう」としています。 飲食店でのホール接客、キッチンでの調理、食器洗いや清掃、デリバリー。物流業界での荷物の仕分け、検品、梱包。イベント・PR業界における会場設営・撤収、グッズ販売、チラシ配布など、多くの業界、業種で人手不足が解消する方向に進む公算です。 そのため、この先、アプリ経由で雇用者と労働者をマッチングする「スキマバイト」というワードを多く耳にすることになりそうです。 スキマバイトに関連する企業は、業界最大手の「タイミー(215A)」を筆頭として、子会社でスキマバイトの「シェアフル」を運営する「パーソルホールディングス(2181)」、同じく「ショットワークスコノヒニ」を運営する「ツナググループ・ホールディングス(6551)」、さらには「LINEスキマニ」を運営する「LINEヤフー(4689)」、「メルカリ ハロ」を運営する「メルカリ(4385)」と多くの銘柄が上場しています。 国民民主党の政策が実現した際には、これまでにないほど注目され、2025年の株式市場を席巻する可能性を秘めていると考えます。 雇用側にも人手不足解消メリットがあり、外食最大手で牛丼首位の「すき家」や回転寿司「はま寿司」を展開する「ゼンショーホールディングス(7550)」、SC内にレストランやカフェを多数展開し、子会社に海鮮居酒屋の「磯丸水産」を擁する「クリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)」などの業績拡大に寄与することになるでしょう。 (株式ジャーナリスト)