【老後対策の第一歩】ねんきん定期便の見方を教えて!どこをどう見ればいいの?
毎年誕生月に日本年金機構より「ねんきん定期便」が送付されます。「年金は難しい」というイメージがあるため、確認しても内容がわかりづらかったり、どこをどう見ればよいのかわからなかったりする方もいるでしょう。 【ねんきん定期便のサンプル】いままで年金保険料をいくら払ってる?未納はない?「将来、いくら年金を受給できるか」見込額も確認しよう! しかし、ねんきん定期便に記載されていることは老後に受給する年金に直結するため、手元に届いた際にはしっかりチェックすることが大切です。 この記事では、ねんきん定期便の見方について解説していきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
ねんきん定期便とは
「ねんきん定期便」は、原則として毎月誕生月に、これまで納入してきた年金の記録や給付予定額などが通知されるものです。 主な目的として、特に若年層に年金制度への理解を深めてもらうことや、国民の年金制度に対する信頼の増進をはかることなどがあります。 受け取った際に、これまでの年金記録を確認するとともに、内容に誤りやもれがないかどうかをチェックするために役立てられています。
ねんきん定期便は50歳未満と50歳以上で異なる
ねんきん定期便は50歳未満と50歳以上とでは記載されている内容が異なります。それぞれに記載されている内容や見方を確認していきましょう。 ●50歳未満のねんきん定期便 50歳未満の方には、以下のような内容が記載されたねんきん定期便(ハガキ)が送付されます。 項目はaからmまでありますが、その中でも特に注意して見るべきポイントを確認していきます。 【a.照会番号】 ねんきん定期便やねんきんネットに問い合わせる際の専⽤番号です。公務員共済や私学共済に加入していた方は、加⼊者番号が表⽰されています。 【b.c.これまでの加入実績に応じた年金額(昨年・今年)】 bには昨年までの納付記録を基にした年⾦額(年額)が表⽰され、cには今年(ねんきん定期便の作成時点)までの納入記録を基にした年金額が表示されています。両方を比較することで、年金額がどのくらい増えたのかが確認可能です。 【g.公的年金シミュレーター二次元コード】 公的年金シミュレーター⼆次元コードには、ねんきん定期便に記載されている内容の⼀部が記録されています。厚⽣労働省の「公的年⾦シミュレーター」で年⾦⾒込額の簡易試算をするときに用います。 【h.これまでの保険料納付額(累計額)】 これまでに納付した保険料の、国民年金・厚生年金の加入区分ごとの累計と、ふたつを合わせた合計額が記載されています。 【i.これまでの年金加入期間】 これまでの年金加入期間を加入区分ごとに合計したものと、すべての加入期間を合計した「受給資格期間」が記載されています。 国民年金や厚生年金を受け取るには、受給資格期間が120ヵ月以上必要です。 【j.これまでの加入実績に応じた年金額】 ねんきん定期便作成時点において、それまでの加入実績に応じた年金額が記載されています。あくまでも現時点での年金額であり見込額とは異なるため、参考程度に確認しましょう。 ●50歳以上のねんきん定期便 50歳以上の方に届くねんきん定期便は、50歳未満の方のものと記載内容が異なります。年金受給見込み額が記載されているので、どのくらい受給できるのかをイメージしやすくなっています。 では、特に注意して確認したいポイントを見ていきましょう。 【b.c.年金の見込額】 bは、65歳から年金を受給した場合の見込額が記載されています。cは支給開始年齢を70歳まで遅らせた場合(5年繰下げ)と75歳まで遅らせた場合(10年繰下げ)に受け取れる見込額です。繰下げ受給をするかどうか選択する際の参考になるでしょう。 【j.k.l.老齢年金の種類と見込額(年額)】 老齢年金の種類と見込額には4列ありますが、左3列は「特別支給の老齢厚生年金」の受給対象者のみが記載されているものです。 特別支給の老齢厚生年金とは、厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた際に、受給開始年齢を段階的に引き上げるために設けられた制度です。 対象となるのは、1961年(昭和36年)4月1日以前生まれの男性と1966年(昭和41年)4月1日以前生まれの女性です。それ以外の方は空欄になっています。 65歳から受給できる年金額の見込額は、一番右側の欄に記載されている金額です。 なお、60歳未満の場合は現在の加入条件が60歳まで継続した場合の見込額で、60歳以上65歳未満の場合はねんきん定期便作成時の加入実績に応じて65歳から受給できる見込額が記載されています。