SDGs動画コンで函館高専生チームCOWNECT最優秀賞
高専生を対象とした「SDGs動画コンテスト2024」(バイオインダストリー協会、日本バイオ産業人会議主催)で、函館工業高等専門学校の学生でつくるプロジェクトチーム「COWNECT(カウネクト)」の作品が最優秀賞に選ばれた。厳しい環境にある酪農家を支えようと、脱脂粉乳を材料に独自開発した革風素材の意義や取り組みを動画に分かりやすくまとめ、高い評価を得た。
同コンテストは、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献するバイオエコノミーとバイオテクノロジーに関するアイデアを動画として募集。全国の高専生から寄せられた動画を審査し、最優秀賞1点、優秀賞1点を選んだ。
「COWNECT」は、同校のプロジェクトから誕生した物質環境工学科の学生チーム。脱脂粉乳から抽出したタンパク質「カゼイン」を用いて、革風の素材を開発し、今春はクラウドファンディングにも挑戦。耐久性の向上などを目指した素材の研究・開発、製品作りを続けている。 今回、活動をより多くの人に知ってもらうきっかけになればと、酪農家の厳しい経営環境、生乳調整の原因の一つとなる脱脂粉乳の在庫過剰問題をクローズアップし、脱脂粉乳の需要拡大につながる革風素材を紹介する動画を作成した。SDGsへの貢献、素材の特長、これまでの取り組み、今後の展望なども盛り込み、審査員から「取り組みが面白い」など高評価を受けた。 10月25日には、同校でコンテスト事務局とオンライン接続して表彰式が開かれ、「COWNECT」メンバーの佐久間希美さん(19)=4年=、西野快さん(18)=同=、池田胡桃さん(20)=5年=、三川ゆいさん(20)=同=が出席。表彰状と副賞の図書カード10万円分が阿部恵校長から手渡された。 動画作成を担当した西野さんは「目的を認知してもらえるように心掛けた。すごくうれしい」、リーダーの佐久間さんは「酪農は道民にとって身近だが、知られていないことが多い。動画をさらにブラッシュアップして、PRに使っていきたい」と話している。 動画は4分24秒。アジア最大級のバイオテクノロジー展「BioJapan2024」(神奈川県横浜市、10月9~11日)の会場ブースで放映されたほか、主催者のホームページやユーチューブチャンネルでも公開している。
函館新聞デジタル