はるな愛 男として演歌歌手デビューが夢
ニューハーフタレントとして人気のはるな愛。独特のテンションと1980年代アイドルを彷彿させるファッションが持ち味だが、昨年6月に行われたイベントでは一転、男装姿を披露し、話題になった。そのお遊びのような試みによって、はるなの心の奥底にあった“何か”が目覚めていく。あれから1年。当時、男装姿で「男に戻りたい」と、つぶやいたはるなの現在の心境を聞いた。 「客観的な視点として、男である“大西賢示”(はるなの本名)は元々存在していました。その視点によって、メイクとかファションとか男性に受け入れられるような“はるな愛”を作っていたんです。でもそれが男装をした途端、男の自分が前に出てきてしまったようなイメージ」と、男装を披露した1年前を振り返る。 それからというもの「髪の毛を短く切ってみたり、スカートを履く自分に違和感を覚えたり。だからといって“はるな愛”として仕事をもらった時に、“大西賢示”として男の格好で行ったらおかしいでしょ?自分の中に大西賢示とはるな愛という2人が同時に存在している状態でした」と、まとまらない自我に思い悩むようになった。実は人知れず「バストを切除する手術のカウンセリングにも行った」という。それほど自らの性について、真剣に考えていた。 男性として生活したい思いがあるものの「トランスジェンダーの方には多いんですが、私自身も女装することによって自分自身をさらけ出せるタイプ。賢示のままだと、性格も暗くて真面目で大人しい。だから男としてのキャラクターがきちんと確立されて仕事のオファーが来ない限り、賢示としての自分を表すのは難しそう」と、男性としてどう振る舞えるかを心配している。それでも、男性としての夢もある。それは歌手としてデビューすること。 「年齢のこともあって、声がどんどん男の声に近づきつつあるし、実のところ楽に出せるのは男の声。それに子供の頃、親の趣味で五木ひろしさんとか北島三郎さんの演歌を歌っていました。なので、もし男としてデビューできるなら、演歌で自分の気持ちを伝えるようになりたい」と、家族との思い出を形にしたい希望もある。