「唐揚げうどん弁当」…とな? スーパーで見つけた変な弁当、チャレンジを理由に買ってみたら「想像通り」の展開に
【久住昌之 するりベント酒】 スーパーで変な弁当を見つけた。 「かつおぶし香る健農鶏唐揚げうどん弁当」。499円。 商品名が長い。「かつおぶし香る」はいらないんじゃないだろうか。見ればわかるし。まあ余計なお世話だが。 「うどん弁当」というのも初めてだ。 今までうどんとかミニそうめんを、ボクが勝手に「これを弁当とする」と決めつけてこの連載で取り上げたことはある。 だがこの商品は、自らうどん弁当と名乗っている。自分から言われるとたじろぐ。 「ポマード香る七三分けかつら帽」と言われているようだ。かつらだと正直に言いながら帽子である、と言われているようだ。返す言葉がない。 これは、見たところ焼きうどんのようだ。そう思わせるのは、上にかかっている削りぶしのせいかもしれない。が、うどんは焼いていないようだ。 うどんは白い。そして汁的なものはかかっていないように見え、だが容器内に、これにかける付属のスープ的なものも見えない。 どういうことだろう?まあ汁がないから、カバンの中でそれが漏れ出して悲劇、ということはなさそうだ。その辺が「弁当」という呼称の所以か。 つまり唐揚げ弁当の、ごはん部分をそっくりうどんに変えたもの、という。 でもそれじゃ、食べにくくないか? という心配を含め、この連載には面白いチャレンジなんじゃないか?という理由で買ってみた。 さて、うちに持って帰って、蓋を開けてみた。汁的なもの、やはり入ってない。 箸で唐揚げをどけてみた。 やはり全部真っ白いうどんである。 そのうどんを箸で二、三本つまみ上げようとした。 できない。想像通り、麺同士がくっついている。そりゃそうだ。汁がないんだから。 とり唐揚げをひと切れ食べてみる。箸で取ると、ひと切れが半分に薄く切ってあり、食べやすい大きさだ。 うん。まあ、おいしい。やや味が濃い。やはりうどんと一緒に食え、ということだろう。うどんに箸を入れ、強引に引っ張り出す。ブチブチ切れる。そりゃそうだ。 うどんはほどほどにコシがあり、ほどほどに柔らかく、味はいいと思う。