サプライズ無き箱根駅伝予選会に世代交代の波
一方の創価大は「選手の自主性に任せる」という判断が裏目に出た。5km通過地点は3位と好発進したが、徐々にペースダウン。チーム10番目の選手が個人総合256位(1時間7分11秒)に沈み、チームも総合15位まで転落した。もう少しうまくペースメイキングできていれば、違う結果になっていただろう。 今回の予選会で大きなサプライズはなかったが、「世代交代」を予感させるような結果があった。 山梨学大と麗澤大だ。 山梨学大は箱根駅伝で3度の総合優勝を誇る強豪校。しかし、第80回大会以降は予選会にまわることが多くなり、前々回は17位、前回は18位と途中棄権を除くと2年連続でワースト順位を更新している。そして、今回の予選会も芳しくなかった。 ケニア人留学生のドミニク・ニャイロと日本人エースの永戸聖が故障の影響で万全な状態ではなく、中堅選手の取りこぼしもあり、総合10位。 ブービーでの予選突破に上田誠仁監督は、「厳しい戦いになったが、また箱根路に挑めることを喜びたい」と言葉を選びながら、安堵の表情を浮かべていた。 山梨学大は1990年代にケニア人パワーを軸に箱根路で旋風を巻き起こしたが、2000年代に入ると、留学生を獲得する大学が増加。今回も7人の留学生が参戦するなど、山梨学大はオンリー・ワンのチームではなくなった。 落選した創価大にも1万mで学生歴代3位のタイム(27分38秒05)を持つケニア人留学生(ムソニ・ムイル)がいたが、今回は故障のために欠場している。通常の10校通過で、ムイルが出場する状況になっていれば、山梨学大は圏外に弾きだされていた可能性が高い。 しかも今回はチームの上位5人が4年生で、1年生の出走はなかった。もうひとりのケニア人留学生、ポール・ オニエゴも来年3月で卒業するニャイロと比べると力不足は否めない。今回は初出場以来33年連続の出場を決めたが、このままでは来年の箱根出場はかなり危ういといえるだろう。