「ヤバい」の一言で終わらせない! 子どもの考える力を育む“3つの魔法の声かけ”とは
考える力を育む声かけ3選
子どもの”語彙力”、意識したことはありますか? 日常の会話はもとより、「国語」「算数」「理科」「社会」……すべての勉強の土台となる“語彙力”。最近は中学入試でも記述式の問題が増える傾向にあり、ますます注目されています。 「子どもの言葉遣いが乱暴に」「友達とケンカ」現役保育士に聞いた“園トラブル”の対処法 日本語研究の第一人者、齋藤 孝先生による書籍『親子で楽しく考える力が身につく! 子どもの語彙力の育て方』は、日々の会話の中で簡単にトライできる「語彙力アップゲーム」や「声かけ」を、漫画やイラストを交えながらわかりやすくまとめた一冊。 今回はその中から、親子のコミュニケーションにも役立つ、「考える力を育む声かけ」をご紹介します!
1.「例えばどんなことか、もう少し具体的に言ってみてくれる?」
ここ数年、「ヤバい」がいい意味でも悪い意味でも使われるようになりました。言葉は時代や社会の移り変わりとともに変化していくものですが、おいしい時も「ヤバい」、遅刻しそうな時も「ヤバい」では、感情の差異が伝わらず、コミュニケーションが深まりません。もし、子どもが「ヤバい」と言ったら、「例えば、何がどうヤバいの? もう少し具体的に聞かせて?」と問いかけてみましょう。 「ヤバい」「ムカつく」といったネガティブな言葉だけでなく、「超いい!」というポジティブな言葉に対しても、この問いかけは有効です。「何が」「どう」「ヤバい」のか、「いい」のか、漠然とした感情を1つ1つ解きほぐすように、子どもの思考を深めていきましょう。 そこから「明日のテストがヤバい」「復習が追い付いていなくてヤバい」という答えが返ってきたら、「なるほど、具体的でいいね!」と言い、「じゃあ、ヤバくなくなるためにはどうしようか」と話し合うことができます。考えるのに必要なのは、具体性を問う問いかけなのです。
2.「どうしてそうなっちゃったのか、教えてくれる?」
「どうして?」という問いかけは、語調や表情によっては詰問(きつもん)になりがちなので、注意が必要です。ここでお勧めするのは、謝罪や反省を促すための詰問ではなく、シンプルに理由を知るための問いかけです。 例えば提出物が遅れて先生に叱られた、遊んでいて何かを壊してしまった、友だちにケガをさせてしまった、という時。当事者である子どもはその事実=結果にショックを受けます。そんな時、状況を客観的に把握するための視点を、親がさずけてあげてほしいのです。 「どうしてそうなっちゃったのか、教えてくれる?」と問いかけ、もし子どもが言い淀(よど)んだとしたら、「あやまらなくていいからさ、経緯が知りたいんだよね」と付け加えてください。責められていないとわかれば、子どもも冷静に思考できるようになります。 話を聞いて事の次第がわかったら、「よく分析できているね」とほめてあげましょう。原因と結果をきちんと整理できることが、考える力です。