住宅セーフティネット制度で借りやすい物件探し 大家の7割が高齢者入居に拒否感 「住み家」の生涯確保へ覚えておきたい制度
【年金世代・予備軍「シニアの居場所」】 役所広司主演の映画「PERFECT DAYS」で、主人公は場末の安アパートに暮らしていました。 あまり考えたくないことですが、老後の住み家に困ったらどうすればいいのでしょうか? 映画ではそんな中でも、主人公は生き生きと暮らしていましたが、現実問題として、年金世代は賃貸物件を借りるのが難しくなります。 国土交通省「住宅セーフティネット制度の現状について」(令和5年)によると、賃貸人(大家)の約7割が高齢者の入居に拒否感を持つとされています。 年金世代が賃貸物件を借りにくくなるのは、大家が高齢者の入居を嫌がることと、連帯保証人になってくれる人を探すのが大変だからです。 そこで、高齢者でも借りやすい賃貸物件を考えてみます。代表的なものは「UR(都市再生機構)」と都道府県・市などの「公営住宅」、そして元雇用促進住宅である「ビレッジハウス」です。これらは入居する際の連帯保証人は原則不要です。 入居にあたっての審査は、URやビレッジハウスは比較的ゆるやかですが、原則として一定の収入金額(または貯蓄額)があることが求められます。ビレッジハウスは家賃が低めに設定されています。 公営住宅の入居審査は自治体によって多少違いますが、URとは逆に一定の収入以下であることが条件です。埼玉県県営住宅の例では月額15万8000円以下(高齢者・障がい者世帯等は21万4000円以下)とされています。 おおむね他の自治体もそのような決め方になっていますが、年金などを含めての計算が少し面倒なので、公営住宅のホームページで試算するか、給与の源泉徴収票あるいは確定申告書、収入が年金のみの人は課税証明書(または非課税証明書)を準備して、窓口に行くか電話で確認する方が早そうです。公営住宅の場合、家賃は収入に合わせて上下しますが、基本的にかなり低めに設定されています。 ただし、公営住宅は原則として内見ができず、古い物件が多いうえ、アクセスも不便なところが多いのが実情です。新しい物件は高い抽選倍率となります。