国学院久我山、初勝利から快進撃4強 ワンチャンス逃さず センバツ
第94回選抜高校野球大会は第9日の28日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で準々決勝があり、国学院久我山(東京)が星稜(石川)に4―2で逆転勝ちした。相手のすきを逃さずに主導権を奪い返し、甲子園で春夏通じて初の4強入りを果たした。 【国学院久我山vs星稜 熱戦を写真で】 ◇ 四回まで三塁すら踏めず、序盤の国学院久我山に見せ場はなかった。初めてスコアボードに「H」のランプがともった五回。交代したばかりの相手エースの失策に乗じ、逆転のビッグイニングを作り出した。 2点を追う五回1死二塁から1番・斎藤のチーム初安打となる右前打で1点を返すと、相手投手は先発の武内からマーガードに代わった。三振で2死一塁となった後、木津のボテボテのゴロに焦ったエース右腕が一塁に悪送球。思わぬ形で追いつくと、ハイライトは直後に訪れた。 打席に入ったのは、2打席で死球、四球とまともにバットが振れなかった4番・下川辺だ。5球目。それまでは外角低めを攻められていたが、力のない122キロ直球がど真ん中に来たところを振り抜いた。快音を響かせ舞い上がった打球はレフトスタンドへ。「公式戦で一番飛んだかな」 甲子園に来て4番に入ったが、安打は内野安打1本のみ。普段は口数の少ないクールな男も、さすがにこみ上げるものがあったのだろう。この回一挙4得点で試合をひっくり返してベンチに戻ると、タックルするように真っ先に尾崎監督の胸に飛びついた。 相手先発の武内は球威があるが、制球が不安定だった分、国学院久我山打線は狙い球を絞れずに苦しんでいた。ただ、焦りはなかった。「投手と対戦して感じたことをベンチでやりとりし、2巡目に入った」と尾崎監督。初安打の斎藤も「打席に入る前にフォームを見直した」と踏み出す足を修正して突破口を開いた。 センバツ初勝利からベスト8の目標も達成して4強入り。ワンチャンスを確実にものにする「久我山」が快進撃を見せている。【浅妻博之】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。