広島・大瀬良 エースの意地「チームの結束深まった」後輩の奮闘に感謝 8戦ぶり待望の5勝目
「広島2-1阪神」(24日、マツダスタジアム) 六回表が終わると、広島・大瀬良大地は真っ先にベンチを飛び出した。リードを保ってくれた森浦のもとへ駆け寄り、ねぎらう。5回2/3を1失点。6月22日・中日戦以来の5勝目は1点差でバトンをつないでくれた後輩たちの奮闘があったからこそ。「本当に頭が上がらないですね。感謝したい」と、自身の白星よりも仲間をたたえた。 【写真】新井監督も大興奮 口開け笑顔で力強くガッツポーズ 五回まで阪神打線を2安打に封じたが、六回は1死から連続四球でピンチを招いた。中野を空振り三振に斬って2死までこぎつけたところで新井監督が交代を告げた。 前々回、8日の巨人戦は七回に、前回17日は六回に一挙5点を失って黒星。「2戦連続、あの辺(終盤)でやられていたので。しっかりいかなきゃダメだし2点取ってくれている。考え過ぎました」と苦笑い。ブルペン陣を慌てさせてしまった反省も口にしつつ「きょうは本当に勝たせてもらった」と実感を込めた。 前半戦は防御率0・82と圧巻の投球を示した一方、勝ち星は伸びなかった。6月29日・巨人戦から7戦続けて白星から遠ざかり、その間の援護点は1点が最高だった。 何より心に響いたのは仲間の言葉。打撃コーチからは毎回、申し訳ないと伝えられた。「冗談めかして試合前に『今日5点取ってください』と言ったり(笑い)。あまり真剣に受け取ると、余計に苦しくなるかなというのもあった。逆に気を使わせちゃってる感が僕にもあった」と振り返る。女房役の会沢や秋山も、自身の心情をくみ取って声をかけてくれた。 だからこそ、お立ち台では「みんな一生懸命やっているのは感じているし、チームなので。今日の試合をモノにできて、またチームの結束が深まったのではないかと。そういう試合だったと思う」と実感を込めた。「ここからは何よりチームが勝つことが大事。みんなでまた頑張っていけたらいい」と大瀬良。全員でつかんだ5勝目を契機に、エースが悲願の頂点に向かってまい進する。