両親の離婚を経験…工藤夕貴「幼少期の誰かに認められたいという思いが自分を不幸にしてきた」50代を迎えた今だから語れる「自分の人生の生き方」
芸能生活を40年を迎えた工藤夕貴さん。日本アカデミー賞の主演女優賞や海外映画への出演と不動の地位を確立し、20年ほど前から富士宮市で自給自足の生活を送っています。工藤さんに50代を迎えての心境を伺いました。 【画像】「立派すぎる」自身で作った軽キャンピングカーに乗って愛犬と旅をする工藤さん(全6枚)
■「愛されたい認められたい」という気持ちが自分を不幸にしていた ── 12歳でスカウトされてから芸能界に入るとき、コンプレックスがあり、幼いながら早く自立したいと思っていたそうですね。いろいろな思いを乗り越えて、そこから怒涛のご活躍があり、現在は農業をなさったりとご自身のペースの生活を謳歌なさっていますが、これまでを振り返って思うことはありますか?
工藤さん:デビュー前の頃、実は精神的にはボロボロで、両親が離婚し家庭環境はとても悪かったんです。褒められることもなく育ってきて「自分には価値がないんだ」と思うばかりで、コンプレックスもあって。「人に愛されたい、認められたい」という思いは人一倍強かったと思います。 そんなときにスカウトされて、自分が期待されて褒められたことがものすごくうれしくて、つらい日常から逃避するようにどんどん芸能界に興味を持っていきました。デビューして、結局売れなくなると手のひらを返す大人たちがいてその落差に大いに傷ついたり、見返したくて海外を目指したりしてきたわけですけど、そういう自分の生き方が不器用で一生懸命やっているつもりでも空回りしてしまったり、人に誤解を受けたりと上手に生きてこられなかったように思います。
今ようやく50代に入って思うのは「人に愛されたい。認められたい!」という気持ちが自分を不幸にしていたんだなって。 でも、若いときはあれだけ「悔しい」とか、「仕事で成功して認められたい!」と思う気持ちがあったからこそ、つらいことも乗り越えられた。それも確かです。当時はどこまで自分が伸びるか、人に認められるかが存在価値を確認できる術でしたから、それが不幸の原因だったなと思いつつも、若い頃はそういう時期もないといけないんでしょうねと、今ようやく俯瞰で考えることができます。