古代の服装「漢服」を着ていれば地下鉄が無料 中国
【東方新報】春節(旧正月、Lunar New Year)の連休で中国の都市がまた一つ脚光を浴びている。中国東部の江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)の交通部門は、2月9日から17日まで中国古来の服装をした乗客に対し、地下鉄の運賃を無料にすると発表した。 春節連休の期間、多くの人々が故郷に帰省したり旅行に出掛けたりする。中国交通運輸部は、1月26日からの40日間に全国で延べ90億回近い旅行が行われると予想している。 中国の多くの都市の観光部門は、地域経済を活性化させるため、一人でも多くの観光客を獲得しようとあの手この手の努力を払っており、特に昨年下期からその動きが強まっている。この動きは、春節連休に向かっていっそう加速し、多くの都市が「旅行特典」を打ち出しているという。 中国中部の湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)は、運賃無料政策に加え、車のドライバーに対して春節期間中は市内全域で合計6万台の駐車スペースを無料で提供する。 蘇州の運賃無料政策はネットユーザーの注目を集め、「春節がにぎやかになるね」など「いいねコメント」が寄せられている。 「漢服」という伝統文化と日常的な交通運賃とのユニークなコラボは、中国の伝統的な服装に対する人々の関心の高まりも示している。 新型コロナウイルス感染症の流行が終息した後、全国各地の景勝地では観光客に「漢服」を無料で提供するところが増えている。 以前は「漢服」を着て公園に行くと奇異な目で見られるというニュースが流れていたが、今や「漢服」は都市のイメージを形づくり、時流にも乗った手段となっているのが時代の変化を感じさせる。 例えば、中国山西省(Shanxi)の省都・太原市(Taiyuan)の晋祠博物館(Jinci Museum)は、昨年6月に開催された同市の文化フェスティバルの際、ムード作りを演出するため、漢服を着た観光客の無料入場を実施している。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。