強化合宿を公開した阿部詩（右）

　柔道のパリ五輪女子52キロ級代表の阿部詩（23＝パーク24）が、東京大会からの2連覇に向けて〝モンスター宣言〟だ。 　女子日本代表は26日、都内で行われている強化合宿を公開。乱取りなどで約2時間半、汗を流した詩は「（パリ五輪まで）とうとう1か月かという感覚で、早いなと。順調に（調子が）上がってきていて、技術面や心の部分もだんだんそろってきている」と気持ちを高めた。 　国際柔道連盟の五輪ランキングで9位の詩は、上位8人に与えられるシード権を逃した。それでも「昨年10月に出ようと思っていた試合が、（ケガにより）出られなかったのが大きかった。シードに入れるなら入りたかったけど、いろんな試合に出て自分のプラスになるわけでもない。シードに入ることよりも、自分のコンディション面を優先した」と前を向いている。 　女子柔道界で圧倒的な実力を示すため、高校時代から「怪物になりたい」と口にしてきた。5月にボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥（大橋）が、ルイス・ネリ（メキシコ）を相手に防衛に成功。〝モンスター〟は1ラウンドにプロ初のダウンを奪われたが、その後は3度のダウンを奪ってTKO勝ちを収めた。 　詩は「高校3年の時に『怪物になりたい』と言った。当時も井上選手が頭にあって、負ける姿が想像できない選手になりたいと思った。井上選手のどんなことがあっても、ダウンをしても絶対に勝ってくる姿を見た時に、自分はまだまだだと思った」。五輪2連覇を達成し、柔道界の〝怪物〟を目指す。