【スーパーGT】前年王者はさらに強さを増すのか!? au TOMS坪井翔、公式テスト初日のこれ以上ない順調ぶりに「このまま開幕してほしいくらい」
岡山国際サーキットで、スーパーGT公式テストがスタート。これまでにもプライベートテストで2024年仕様のマシンを走らせてきた各陣営だが、今回各クラスのマシンが一堂に会し、ファンの前で走行した。 【模擬予選結果】GT500は36号車au TOM'S、GT300は31号車aprが最速タイム|スーパーGT岡山公式テスト その中で際立った走りを見せていたと言えるのが、昨年のGT500クラスチャンピオンである36号車au TOM'S GR Supraだ。 今年は海外挑戦の宮田莉朋が抜け、後任に山下健太が加入した36号車だが、午前中の3時間のセッションでは坪井翔がロングランを担当するなど、ふたりで93周を走破。山下が記録したベストタイムも全体2番手となった。そして午後の模擬予選でもふたり揃って好タイムをマークし、合算タイムで最速。模擬予選ではあるが、ある意味“今季最初のポールポジション”を獲得したチームと言える。 一発のタイムだけでなく、ロングランでも非常に安定したペースで周回していた36号車。その他にロングランを実施したのは僚友の37号車Deloitte TOM'S GR Supraと100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTのみだったが、坪井はこの2台を上回るペースで周回を重ねていた。 側から見ても非常に順調に見えた36号車のテスト初日。実際坪井も、「このまま開幕してほしいくらい順調」だとコメントした。 「36号車としては、ここまですごく順調に来ていると思います。クルマに関してもタイヤに関してもやりたいことはしっかりできて、タイムもついてきているので、このまま開幕してほしいくらい順調に来ています」 「模擬予選もトップでしたし、ロングランも明日他のチームを見てみないとわかりませんが、決して悪いところにはいないと思います。予選(想定)でも決勝(想定)でもタイムが出ているのはこれ以上ないことだと思うので、手応えを感じています」 「ただ、いつも言っていますがテストなので、他のメーカーがどういう流れでやっているかはわからないですし、一概にこのまま行くとは思えませんが、少なくとも調子が悪くないことは間違いありません」 昨年は全8戦のシーズンで3勝を挙げるなど、他を圧倒する強さを見せた36号車。他のスープラ勢からはダウンフォース不足に苦しんでいたというコメントも聞かれる中で36号車が結果を残したのは、ダウンフォースをしっかり稼げていたからなのかと問うと、坪井はそれだけではないとして、むしろブリヂストンユーザー間でも分かれていたタイヤチョイス、さらには足回りなどから来るメカニカルグリップなどを含めた総合力を強みにできていたと語った。 また、坪井は「確かに36号車としてもダウンフォースが足りない感じがあったのも事実ですが、今年エアロを変えたりして、多少なりともコーナーも良くなっているフィーリングも感じたりしています」とのこと。2024年シーズンに向けた空力面のアップデートも良い方向に進んでいることをうかがわせた。 開幕に向けては「油断せず、24年仕様スープラのセットアップの良いところを見つけて、スープラの中で一歩抜け出すことが大事」と意気込む坪井。36号車の順調ぶりは、他のスープラ勢だけでなく他メーカーのライバルにとっても大いに脅威となっているはずだ。
戎井健一郎
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