【ONE FF】スーパーボンvs.グレゴリアンが暫定王座決定戦で3度目の対戦、“人生無敗の男”ディベラがプラジャンチャイの挑戦を受ける
毎週金曜日にタイ・ルンピニースタジアムで開催される『ONE Friday Fights』。今週4月5日の『ONE Friday Fights 58』はビッグマッチとして行われる。 【写真】アマチュアから含めて1度も負けたことがないという“人生無敗の男”ディベラ メインイベントはスーパーボン(タイ)vs.マラット・グレゴリアン(アルメニア)3度目の対決で、ONEフェザー級キックボクシング暫定世界タイトルマッチ。コ・メインもONEストロー級キックボクシング世界タイトルマッチとしてジョナサン・ディベラ(イタリア / カナダ)vs.プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ)と2大タイトルマッチとなった。 他にクラップダム、ノンオー、セクサンとムエタイトップ選手が出場する。 ▼第9試合 ONEフェザー級キックボクシング暫定世界タイトルマッチ スーパーボン(タイ) マラット・グレゴリアン(アルメニア) スーパーボンはブアカーオの元で腕を磨き、2021年10月のONEフェザー級キックボクシング王座決定戦でジョルジオ・ペトロシアンに右ハイキックによるKO勝利で戴冠。2022年3月の『ONE:X』ではマラット・グレゴリアンを判定で完封し、初防衛にも成功した。しかし2023年1月、チンギス・アラゾフに2R KO負けで王座陥落。12月にはONEフェザー級ムエタイ世界王者タワンチャイに挑戦も判定負けで王座奪取ならず。戦績は114勝(28KO)36敗。 グレゴリアンは2015年のK-1 WORLD GP初代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメントで3試合連続KO勝ち。初代王座に輝くと2019年5月にシッティチャイを破りGLORY世界ライト級王座も獲得。ONEには2020年12月に初参戦。2023年8月にONEフェザー級キックボクシング世界王者チンギス・アラゾフに挑むも判定負けでタイトル獲得ならず。2024年1月のONE日本大会ではシッティチャイと5度目の対戦でKO勝利を奪った。戦績は67勝(35KO)13敗1分1無効試合。 両者はこれまで2度対戦し、初対戦は2018年2月の『Kunlun Fight』でグレゴリアンが1Rわずか29秒でKO勝ち。2度目の対戦は2022年3月のONEでスーパーボンが判定勝ちしており、今回が1勝1敗で迎える決着戦となる。 ▼第8試合 ONEストロー級キックボクシング世界タイトルマッチ ジョナサン・ディベラ(イタリア/カナダ/王者) プラジャンチャイ・PK・センチャイ(タイ/挑戦者) ディベラは格闘家だった父に2歳から教えを受け、極真空手の黒帯を取得。アマチュアキックボクシングで20勝(17KO)無敗、アマチュアボクシング6勝無敗の戦績を収めてキックボクシングのプロに転向すると現在までISKA北米王座やISKAインターコンチネンタル王座を獲得。GLORYにも出場した。ONEとは2020年に契約を結んだが、新型コロナウイルスの影響のため試合が出来ず、2022年6月にモントリオールでボクシングの試合に出場して判定勝ち、その1カ月後にはカナダのキックボクシングの試合で2R KO勝ちを収めた。 2022年10月にONE初参戦を果たすと、いきなりONE世界ストロー級キックボクシング王座決定戦に抜擢され、ジャン・ペイメンを判定で破り新王座に就いた。2023年10月にはダニエル・ウイリアムスを判定で破り初防衛に成功している“人生無敗の男”。戦績は12勝(4KO)無敗。 プラジャンチャイは元ラジャダムナンスタジアム認定フライ級王者、元ルンピニースタジアム認定バンタム級&スーパーバンタム級王者。ボクシングでもWBAサウスアジア・バンタム級&フェザー級王座に就いている。スピードがあり、ハイレベルなテクニシャンタイプのムエタイトップファイターの一人。 2021年7月のONE初参戦で、いきなりサムエーに挑戦して判定勝ちでストロー級ムエタイ世界王座に就いたが、2022年5月の初防衛戦でジョセフ・ラシリにTKO負けで陥落。2023年1月の『ONE Friday Fights 1』で再起戦を行い、コンペットに勝利した。6月にはサムエーをもKOして暫定王座に就くと、12月にラシリとの王座統一戦を初回KOでリベンジに成功し、王座返り咲きを果たした。戦績は340勝52敗3分。また、プロボクシングでも3戦3勝。 “人生無敗の男”ディベラが無敗の人生を続けるのか、それでもプラチャンチャイがムエタイ王座とキックボクシング王座の統一王者となるのか。注目のテクニシャン対決。 ▼第7試合 バンタム級 ムエタイ 3分3R ノンオー・ハマ(タイ) クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ) ノンオーは37歳で265勝56敗10分の驚異的な戦歴を誇り、ルンピニースタジアムでスーパーバンタム級からライト級まで四階級制覇、ラジャダムナンスタジアムのベルトも獲得している、まさにムエタイの伝説的存在だ。2019年2月にONEムエタイ・バンタム級王者となり、鈴木博昭、セーマペッチ、ロードレック、リアム・ハリソンらを相手に7度の防衛に成功して絶対王者と呼ばれていたが、2023年4月の8度目の防衛戦でジョナサン・ハガティーにKOで敗れ王座陥落。12月にはニコ・カリロにもKO負けしてまさかの連敗で再起をかける。 クラップダムはサウスポーのファイタータイプで、左ストレートを決め技とする元ルンピニースタジアム認定ライト級&スーパーライト級2階級制覇王者。2018年にはプロムエタイ協会ライト級王者の肩書を引っ提げて初来日。REBELSのリングで梅野源治とルンピニースタジアム認定ライト級王座決定戦を争い、4Rに強打で梅野を2度ダウンさせてのTKO勝利を収め、日本のムエタイファンにも強烈なインパクトを残した。 ONEには2019年9月から参戦し、2020年のONEバンタム級ムエタイトーナメントでは決勝へ進出したが、ロードレックに敗れた。2021年は1勝2敗、2022年は2勝3敗、2023年は4勝(3KO)1敗1無効試合。KO狙いのアグレッシブなスタイルはタイで人気を博している。前戦は2024年2月にフリオ・ロボに初回TKO勝ちを収め、現在3連続初回KO勝ち中。戦績は77勝25敗2分1無効試合。 ▼第6試合 キャッチウェイト (64.41kg) ムエタイ 3分3R セクサン・オー・クワンムアン(タイ) 麻火佑太郎(PHOENIX) 35歳の“鉄人”セクサンはタイのビッグマッチには欠かせないムエブー(アグレッシブに前へ出てムエタイの全ての技を使って戦うタイプ)のスター選手の一人。2015年9月のラジャダムナンスタジアムにて梅野源治を迎え撃ち、勝利を奪って梅野の進撃をストップした。同年にはラジャダムナンスタジアムの年間MVPにも選ばれている。 『RISE WORLD SERIES 2019』に初来日し、-61kgトーナメント1回戦では大雅を破ったが、準決勝では白鳥大珠に敗れた。その後はロッタンやヨードレックペットを相手に連敗が続いたが、2022年は8戦して5勝1敗2分と盛り返す、2023年からはONEに参戦して8戦全勝。勇敢に前へ出て攻め続けるスタイルはタイの観客を魅了し、大声援を受けての試合となるため対戦相手にとっては厄介だ。 そのセクサンに白鳥以来の日本人選手が挑む。麻火は元TENKAICHI Gライト級王者。K-1甲子園-60kgベスト4、KAMINARIMON×新空手最強決定戦-63kg優勝、全日本格斗打撃選手権大会優勝などの実績を持つ。KNOCK OUTとREBELSでキャリアを積み、2022年2月のRISEではチャッピー吉沼から勝利。5月には木村“ケルベロス”颯太に判定で敗れたが、12月に北井智大から殊勲の勝利を収めた。2023年5月、KNOCK OUTなど他団体で活躍してきたマサ佐藤をヒザ蹴りで初回KOに破ると、8月にはKENTAに判定勝ち、2024年2月に野村太一に判定勝ちと4連勝の絶好調。戦績は14勝(2KO)8敗。 蹴り技が主体で、相手の攻撃をほとんどもらわず自分の攻撃を当てるスタイルで、特に最新の野村戦では完封勝利を収めた。突進してくるセクサンにもそのスタイルが通用するか。 ▼第5試合 キャッチウェイト (60.78kg) ムエタイ 3分3R ジャオスアヤイ・ソー・デチャパン(タイ) ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ) ジャオスアヤイはタイ国BBTVスタジアム・フェザー級8位として、2019年11月の「第3代K-1フェザー級王座決定トーナメント」に初来日。1回戦で安保璃紅を必殺の飛びヒザ蹴りでKO、準決勝でも卜部弘嵩との延長戦に及ぶ激闘の末に勝利。決勝こそ江川優生の左ボディに沈んだものの、鮮烈なインパクトを残した。2020年3月『K'FESTA.3』で小澤海斗からも勝利を収めている。2022年8月の「K-1 WORLD GP 2022 K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」では1回戦で玖村修平にKO負けを喫した。 『ONE Friday Fights』には2023年6月から参戦し、初戦のペットスクンビットには初回KO勝ちも、8月の2戦目ではコンスック・フェアテックスに判定負けを喫している。11月にはパイダンをKO、12月はラジャのスーパーフェザー級王者ペットスクンビットから判定勝利を収めた。戦績は78勝(27KO)38敗2分。 ゴントーラニーは2018年6月にラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王座、2021年11月にプロムエタイ協会ライト級王座、2022年3月にラジャダムナンスタジアム認定ライト級王座を獲得している。ONEには2023年2月のFriday Fightsから参戦し、2戦目でペットスクンビットに敗れるもその後は内藤大樹らに勝利して6連勝中。前戦は2024年1月にシャリフ・マゾリエフに判定勝ち。 ▼第4試合 フェザー級 ムエタイ 3分3R シャドウ・シンハ・マウイン(タイ) エリック・ヘアー(スウェーデン) シャドウはラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級王者。同タイトルは2022年2月にフリオ・ロボと王座決定戦を行って勝利し、手にしたもの。2022年にはラジャダムナン・ワールド・シリーズ(RWS)のウェルター級リーグ戦で優勝。2024年2月のFriday Fightsに注目の初参戦を果たしたが、マムカ・ウスビャンに判定負けを喫した。 ヘアーは今回がONE初参戦の25歳。 ▼第3試合 バンタム級 ムエタイ 3分3R ジェイク・ピーコック(カナダ/英国) 新城絋平 ピーコックは隻腕のキックボクサー。極真空手を学び、北米選手権で優勝すると世界大会にも出場した。キックボクシング転向後は北米スーパーウェルター級王座、1Xヨーロッパ同級王座、そして2022年7月にはWBCムエタイ カナダ ウェルター級王座も獲得。2023年に1年間にわたって繰り広げられたRoad to ONEトーナメントで優勝し、今回の出場権を手にした。ハンディをものともしない蹴り技中心の戦いぶりを見せる。2016年6月には『Hard Knocks Fighting Championshiip』でMMAにも挑戦しているがTKO負け。 コウヘイ・ウォーワンチャイこと新城絋平は沖縄県出身で、2021年3月14日RISEでプロデビュー。King of Strikersライト級3位、M-1 JAPANライト級3位で戦績は6勝(2KO)2敗2分の新鋭だ。 ▼第2試合 ストロー級 キックボクシング 3分3R アリーフ・ソー・デチャパン(タイ/マレーシア) ジャン・ペイメン(中国) アリーフは2023年7月の『Friday Fights』から参戦し、タイ人選手2人に勝利、前戦は11月にイランのペイマン・ゾルファガリに初回KO勝ちと3連勝を収めている。 “中国の天心”の異名を持つペイメンは、中国「EMLegend」等で活躍し、23勝18KOをマークするなど“最強中学生”として話題となり、2022年3月にONEデビュー。サムエーが持つONEストロー級(56.7kg)ムエタイ世界タイトルマッチにも挑戦経験があるトナーと対戦し、2RでKO。7月大会ではアスランベック・ジクレーブを判定3-0で破り、10月にONE世界ストロー級キックボクシング王座決定戦に臨んだが、ジョナサン・ディベラに判定で敗れ戴冠ならず。2023年3月の再起戦で勝利するも、11月にはルイ・ボテーリョに判定で敗れた。戦績は16勝(6KO)3敗1分。 ▼第1試合 キャッチウェイト (55.34kg) ムエタイ 3分3R 石井寿来(=ジュライ・ウォーワンチャイ/ウォーワンチャイプロモーション) 片島聡志(Kick Life) ONEでは珍しい日本人同士のムエタイ戦が組まれた。 ジュライは2019年3月にルンピニースタジアムでプロデビュー。2023年7月のソンチャイノーイ戦で判定負けするまで国内無敗を誇った。WMC日本フライ級王者、スックワンキントーンフライ級王者。 片島は2010年9月デビューのベテランで、元WPMF世界スーパーフライ級王者。そのほとんどのキャリアをムエタイルールで積んできた。2024年2月にはRIZIN佐賀大会に出場し、石郷慶人から判定勝ち。
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