【急浮上】静岡駅北口を『地上横断』…歩いて楽しめる街づくり構想 30年前にもあった『幻の構想』とは 静岡市
30年前には「デッキ構想」
利用者が望むような「歩道」は実現するのでしょうか。静岡市葵区の呉服町商店街や静岡駅北口広場のデザインに携わった、都市デザインの専門家と共に、現地を取材しました。 川口名誉教授は今から約30年前にJR静岡駅と中心市街地の分断が問題になった際、ある案を提案したそうです。 静岡文化芸術大学 川口宗敏名誉教授:「2階レベルのデッキを作って反対側に行くという案を昔考えた」
こちらが、その当時の構想案。静岡駅から商店街方面に向かって円形のデッキが3つ並んでいます。 静岡文化芸術大学 川口宗敏名誉教授:「改札口があるパルシェの2階、それから直接松坂屋とか葵タワーの2階レベルに地上に降りなくていける。それが一番歩行者にとっては便利な動線ではないかと思う。それだと費用もかかったり、かつJR及び周りの民間の企業にも協力してもらわないとできないので、実現しなかった」 予算などの理由からデッキ構想は実現せず、2008年、市街地へのアクセス改善やバリアフリーの推進などを目的に総事業費48億円をかけて、現在の北口広場を整備しました。最終的には歩行者はそれまでと同様地下道を通ることになったのです。
地下にしたのは『歩行者の安全』のため
静岡文化芸術大学 川口宗敏名誉教授 Q.地下に下りてしまうと外の様子がもちろんわからない。静岡の良さがわからないのでは? A.「認識はそうだが、もう一つはなぜ地下に下ろしたかという考えがある。それは自動車と交差しない、歩行者の安全性を高めるために地下に人を下ろした」 専門家からもこのような声が上がる中で、静岡市が検討をしている交差点の改良は実現するのでしょうか? 静岡文化芸術大学 川口宗敏名誉教授 Q.横断歩道は実現可能、それとも不可能? A.「それを可能としようと思うならば可能。(横断歩道をつくるのは)さらに国道を分断すること、分断するということは自動車、バス、タクシーも入るが、それらの利便性を低くする。ドライバーにとっては使いにくい道路空間になる、歩行者にとっては喜び。誰かが妥協するという状況になる」