「対岸の火事ではない!」中東紛争の勃発から1年。今後の行方次第で、日本の私たちの生活におよぶ不都合とは【親子で語る国際問題】
中東の石油資源に頼る日本にとって、対岸の火事ではない
現在のところ、イスラエルがイランとの間で紛争を平和的に解決する姿勢を示すことはないと考えられ、両国の全面戦争のリスクが懸念されています。 仮にイスラエルがイランの石油施設を攻撃し、それによって中東の安全保障環境がさらに悪化すれば、ペルシャ湾から日本に向けて航行する石油タンカーの安全が阻害され、石油の値段が高騰し、我々の日常生活にも大きな影響が出てくる可能性があります。日本は石油の9割を中東に依存しており、この問題は我々にとって決して対岸の火事ではないのです。
この記事のポイント
①2023年10月。ガザ地区を実行支配するイスラム主義組織ハマスが、イスラエルへ奇襲攻撃を仕掛けたことがきっかけで衝突が始まった ②イランがイスラエルへの直接攻撃に踏み切るなど、中東全体に影響が拡大し続けている ③イスラエルがイランの石油施設を攻撃するようなことがあれば、石油価格は高騰し、日本も大きな影響が出る 【記事執筆/国際政治先生】 国際政治学者として米中対立やグローバスサウスの研究に取り組む。大学で教鞭に立つ一方、民間シンクタンクの外部有識者、学術雑誌の査読委員、中央省庁向けの助言や講演などを行う。
文・構成/HugKum編集部