第2次石破政権「苦難の船出」…少数与党で国会運営の雲行き怪しく、外交不安も 有馬氏「党勢の低迷が続けば、求心力はますます低下」
■第103代首相へ 衆院選を受けた特別国会が11日召集され、石破茂首相(自民党総裁)が首相指名選挙で多数を獲得し、第103代首相に選出される見通しだ。選挙で国民の「ノー」を突き付けられて自公与党は過半数割れし、支持率が激しく下落してなお、〝居座り〟を決め込む石破首相への風当たりはさらに強まりそうだ。 【写真】「もっと下に…下に」“半ケツ”状態でビラ配りをするボランティア女性 衆院本会議の首相指名選挙では、各党が党代表に投票することが予想される。石破首相と立憲民主党の野田佳彦代表の決選投票では、石破首相が上回り、第2次石破内閣が発足する見通しだ。 「(政治改革は)早急に議論を詰め結論を得ることが日本政治全体にとって必要だ」 石破首相は、国会開会に先駆けた10日、日本維新の会の馬場伸幸代表との会談でこう語り改革意欲をアピールした。 対する馬場氏は、岸田文雄前政権が「調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)」の使途公開などを盛りこんだ政治改革合意を果たしていないと指摘。「自民との信頼関係はマイナス状態。政策や法案、予算案を前向きに議論する状況にない」と切り捨てた。 自民党は、玉木雄一郎代表の国民民主党に接近し、政策ごとで提携する〝部分連合〟を画策するが、「国会運営を野党の出方に委ねざるを得ない」(自民党ベテラン)状況に陥っている。 外交でも不安が広がっている。米大統領選で勝利したドナルド・トランプ次期大統領との電話会談が約5分間だったことについて、自民党の小野寺五典政調会長は10日、フジテレビ番組で「トランプ氏はもっと話したかったようだが、会合を中座して出てきてくれていた。石破首相が配慮し早めに戻ってもらった」と釈明した。 各国首脳のうち、フランスとウクライナが25分、イスラエルが20分、韓国が12分間、トランプ氏と会談していた。石破首相の会談はフロリダ別荘での祝勝パーティー中だったというが、野党幹部は「重要な外交をめぐる釈明としてはかなり苦しい」と指摘する。 政治評論家の有馬晴海氏は「来年の参院選や東京都議選を前に党内の危機感は高い。石破首相は『選挙に勝てる顔』として選ばれただけに、党勢の低迷が続けば、執行部の求心力はますます失われるのではないか」と分析した。