就職も恋愛もうまくいかない理由。20代男性が大人になって気づいた発達障害
人間関係がうまくいかない。大人の発達障害
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧ ーDATAー 原田さん(仮名) 28歳 /会社員/未婚/男性 ୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
24歳の時に発達障害と診断
――成人後にはじめて、発達障害の診断を受けた? はい。24歳の時にASD(自閉症スペクトラム障害)の診断を受けました。(以下同、原田さん) ――ASD(自閉症スペクトラム障害)とはどのような障害でしょうか? 対人関係が苦手・強いこだわりといった特徴をもつ発達障害のひとつです。診断を受けるまで長い間、対人関係がうまくいかないことに悩んでいました。 高校時代は、自身と似たような友人たちとつるんでいたのでなんとかやっていけたのですが、大学に入っていろいろなジャンルの友人と関わるようになると、飲み会やサークルなどで空気の読めない発言をしてしまい、周囲から浮いてしまって。 特に悩んでいたのは恋愛コンプレックスで、大学時代、「童貞いじり」をされた辛い経験があります。
「童貞いじり」をされた学生時代
――「童貞いじり」とは具体的にどのような状況だったのでしょうか? 僕に恋愛経験がないことを単純に「童貞」といじることなんですが、僕にとってそれはいじりではなく、いじめに感じました。 周囲はちょっといじってやろうとかそういう気持ちだったと思うんです。でも当時の僕は、その言葉を真に受けてしまって。「どうして僕だけ恋愛できないんだろう……」とずっと悩んでいました。 小学校の時の卒業アルバムで「一生独身でいそうな人ランキング」で僕が1位になった経験があって、それが大きなトラウマになっていました。年齢を重ねるにつれ、女性はもちろん、他人と意思疎通がうまくとれない自分は、ランキングのように一生独身なのかもしれない……と感じていました。 ――「恋愛したい」という気持ちはあったのですか? はい。でも恋愛どころか、周囲とのコミュニケーションがうまくいかず。恋愛の仕方さえわかりませんでした。当時は今ほど発達障害というワードがあまり浸透していなかったこともあり、自身が発達障害であることに気づく機会がなかったんです。そうして、コンプレックスばかり強くなっていきました。