午前2時に部屋に入られ“うなり声”を上げながらの叱責も… 犬の「ブリーディング会社」に対し、元“住み込み従業員”が損害賠償を請求
午前2時に部屋に押し入られ、脅迫や侮辱を含んだ叱責を受ける
2023年5月3日、原告は当時交際していた同僚の女性と共に自室で就寝していたところ、午前2時に露木氏とチーフマネージャーが部屋に押し入り、原告と同僚女性を事務所に呼び出す。その後、午前6時30分頃まで叱責した。 原告は当時の様子を録音しており、一部をYouTubeに公開している。 叱責には「調子こいてんじゃねえぞ、このクソガキ」「ヤクザの世界だったら指詰め。どうやってケジメつけるんだ」と威圧する内容のほか、「一番怒らしちゃ駄目な人を怒らせた。俺たちをなめてる。この業界で生きていくんだったら、どっかでつながるんだよね」と、ブリーディング業界における原告の進路を妨害することを示唆する、脅迫のような内容も含まれていた。 また、男性器を表す俗称を用いながら、原告を性的に侮辱する発言も多数含まれている。さらに、露木氏は叱責の最中に何度も「うなり声」を上げていた。 さらに、露木氏は叱責を終えた数時間後に原告の携帯電話を取り上げ、原告がハラスメントの証拠として記録していた写真や録音データなどを消去したという。 叱責は脅迫・侮辱・プライバシーの侵害などを含むハラスメントであったとして、原告側は慰謝料を請求。ハラスメントは他の日にも行われていたが、証拠が残っていないことから、5月3日の出来事だけを請求の対象とした。 一方、準備書面によると、被告側は「原告が過去に複数の女性社員にセクハラ・パワハラを行い退職させるに至った」「“犬舎敷地内で性交渉を行わない”という約束を、原告が破った」などと主張。 また、原告と同僚女性が性交渉を行うために犬を屋外に放置したことなどを指摘しながら、「叱責の程度として行き過ぎた点があることは否定できないが、違法性はない」と主張している。 会見の最後に、原告男性は「こういった環境を無くしてほしいと思い、勇気を出して、提訴をした」と語った。 第2回期日では、第1回に引き続き弁論準備が行われる。7月17日(水)にWebで開かれる予定。
弁護士JP編集部