【阪神】18打席ぶり安打の4番に岡田彰布監督にっこり「そら、早よ来て室内で打ってたりしたら、ええ結果出るよ」
◆JERAセ・リーグ 阪神2―4ヤクルト(17日・甲子園) 連勝が2で止まったが、阪神・岡田彰布監督(66)は柔らかな笑みで会見を締めた。4番に戻した大山が2安打。2回先頭で左前へ18打席ぶりの安打を運び、6回2死一、二塁で右前適時打を放った。「もう出るやろ、そら」と白い歯を見せた指揮官は「でも」と言葉をつなぎ「そら、早よ来て室内で打ってたりしたら、ちゃんとええ結果が出るよ」と目を細めた。 16日の中日戦(バンテリンD)で就任以来、初めてスタメンから外した主砲。「いつまでも使ってられへん」と厳しく言い放ち、途中出場での3球三振にも「(刺激にも)何もなってない」と苦言を並べた。それから、たった一夜。代役で3ランを含む4打点と暴れ、9得点の主役になった原口を外して「4番」に戻す驚きの選択が当たった。 「本人が一番苦しんでると思うよ。でも、やることちゃんとやってたら、やっぱり出るやん」。試合前。大山は大粒の汗をしたたらせ、真っ赤な顔で室内練習場から全体練習のグラウンドへ。名古屋からの移動を伴った、この日も早出。岡田監督が昨季も全試合4番を任せた理由の一つは姿勢でチームを引っ張る姿だが、最悪の内容に勝る“信頼”が待望の快音を呼んだ。 一方的な敗色ムードは、大山の打点を皮切りに接戦に。主砲は「個人的にはプラスにしたいけど、やっぱり試合に勝つこと」と謙虚に語った。もちろん、完全復活とはいえない。11試合ぶりのマルチ安打を良薬にしたいところで、岡田監督も「簡単な薬はないよ」と覚悟。だが、“日替わり打線”からの脱却には大黒柱の復調が欠かせない中、目先の勝敗より大きな収穫だ。(安藤 理)
報知新聞社