スマホ×AIはどう進化すべきか Nothingのカール・ペイCEOと深澤直人氏が語る未来のプロダクトデザイン
英Nothingはスマートフォン「Nothing Phone (2a) Special Edition」の日本発売を記念し、東京・原宿のキャットストリートにコンセプトストアをオープンした。特別イベントではプロダクトデザイナーの深澤直人氏が登壇。自身もデザイナーであるNothingのCEOカール・ペイ氏との対談を通して、スマートフォンやAIについて興味深い議論を展開した。 【画像】Nothing Phone (2a) Special Edition 「Nothing Phone (2a) Special Edition」は、3原色をモチーフとした独特なカラーリングが印象的な限定モデルだ。透明なバックパネルデザインに3色を大胆にあしらった“魅せる”スマートフォンになっている。Nothingの象徴ともいえる背面が光るインジケーターも搭載しており、ホーム画面はモノトーンのウィジェットで落ち着いた空間を表現できる。
深澤氏が語るNothing 「何とも表現しがたい、新しい魅力」
深澤直人氏は、日本を代表するプロダクトデザイナーとして広く知られている。氏を代表する作品としては、携帯電話のINFOBARシリーズが挙げられる。最近でもINFOBAR型のApple Watchケースが発売されるなど、長く愛されるデザインとなっている。 個性的なフィーチャフォンの時代に数々の名作を世に送り出したデザイナーとして、深澤氏はスマホ時代への変化を以下のように振り返る。 深澤氏 INFOBARの頃はせいぜい数百万台売れれば結構ヒットという感じでした。そこにiOSとAndroidという2つのプラットフォームが生まれ、1つのグラウンドに対してもう何億人が同じものを使うというような時代に入っていく。この10年ほどは、個性を飾るということがなくなってきていた。 しかし、深澤氏はこの状況に変化の兆しを感じているという。 深澤氏 でもそれから少しずつまたみんなが同じものを使うようになったら、今度はそれじゃちょっとつまんないんじゃないかなと。また波が来た。そこにカール・ペイさんが何とも表現しがたい、新しい魅力を持ち込んだ。 カール・ペイ氏のNothing Phoneを「何とも表現しがたい、新しい魅力」と表した深澤氏。ペイ氏は以下のように応じた。 ペイ氏 テクノロジーが昔のように面白くなくなっていると感じた。面白くするためのツールとしてデザインを使う Nothingが強く意識しているのは、Appleだ。ペイ氏はNothingの目標を明確に示した。 ペイ氏 iOSが非常に人気なのは使いやすく、美しいことだ。われわれは競合としてiOSに対抗できるものを作りたいと思っている。