女子プロレスラー・安納サオリ、一夜限りの写真展で見せる“もうひとつの魅力” 撮影者・内田綾乃さんに聞く
スターダムのワンダー・オブ・スターダム王者で、OZアカデミーやセンダイガールズプロレスリングなどで活躍するフリー女子プロレスラー・安納サオリ。彼女をデビュー前から知り、プロレスラーとなってからの彼女を写真におさめてきた女性カメラマン・内田綾乃さんが3月9日(土)、東京・代々木のGallery over/underにて「安納サオリ写真展 内田綾乃が撮り続けたサオリちゃん~一夜限りの180分一本勝負~」を開催する。 【フォト】本番では展示されない安納サオリの特別ショット
そもそも内田さんは、安納と同じ俳優養成所の出身。安納は内田さんの一期先輩で、安納のプロレスデビューによりプロレスを知り、写真を撮影するようになったという。以来、7年間にわたり“絶対不屈彼女”安納サオリを写真におさめてきただけに、今回の写真展はある意味で内田さんにとってこれまでのキャリアの集大成と言えそうだ。そんな内田さんに、被写体・安納サオリの魅力などを聞いてみた。 「私は、サオリちゃんがきっかけでプロレスを見るようになったんですね。初めて会ったときのことも覚えてますよ。代々木公園でサオリちゃんが芝居の稽古をしているときにご挨拶させてもらって、当時は、“はんなりブリブリ系”なサオリちゃんを『サオリ先輩』と呼んでました(笑)。卒業後も仲良くさせてもらっていて、プロレスラーになると聞いてデビュー戦(2015年5月31日)を見に行ったんですよね。しかもそれが、私にとって初めてのプロレス観戦。そのうえ、サオリちゃんが試合中に脳震盪か何かを起こしてレフェリーストップになりそうになり、レフェリーに『まだできる!』と訴えていたんですよ。その姿に私もボロ泣きしてしまって」
知人がリングに上がることをきっかけに、内田さんは選手たちが必死に闘うプロレスの虜となり、女子だけではなく新日本プロレスや全日本プロレスの会場にも足を運ぶようになった。次第に客席から写真を撮り始め、安納が当時在籍していたアクトレスガールズで彼女のポートレート写真も手掛けるようになる。すると、「写真集をやってみないか?」とのオファーを受け、両者にとって初めての写真集『道標』を出版、会場や一部書店で販売された。 ここからカメラマンとしての活動が本格化し、さまざまなオフショットの写真を撮影していくようになった。18年11月15日、アクトレスガールズが初の聖地・後楽園ホールに進出し、メインイベントで安納が初代AWG王者になると、翌年の「安納サオリカレンダー」を撮りおろしで担当。以後、安納がフリーとなってからも内田さんは彼女の軌跡をオフショット写真で追い続けている。 「最近の女子レスラーの方ってみんなかわいいですよね。試合の写真は(客席から)撮れるので、コスチューム姿よりも私はむしろコスチュームを脱いだときの方に興味があるんです。というのも、みんな全然(リング上とは)違う顔になるので」 もちろん、安納も内田さんの興味を引くひとりで、旧知の仲だからこそ見せる顔もある。 「サオリちゃんも、リングの中と外では全然違いますね。サオリちゃんって、リングを下りたらマジで何もできないんですよ。オンとオフの差がありすぎ(笑)。レスラー安納サオリのままでいてくれたらとも思うんですけど、オフのときはマジでポンコツ(笑)。そこがかえって魅力でもありますね。むかしはメチャメチャ喧嘩もしましたし、だからこそお互いを受け入れるというか、認めるところもあるんですよね」 安納を「ポンコツ」と言い切る内田さんだが、被写体としての安納サオリ、プロレスラー安納サオリに対してはプロ意識をビンビンに感じているという。 「撮影の前日はお酒や塩分を抜いているみたいです。また、コスチューム撮影のときには陰影を出すために事前にパンプアップをすごくしてますね。露出度が高くて、コスチュームの布の量が選手で一番少ないってよく言われてる。たぶん、(体を)見せたいんじゃないですかね。そのためにも、ジムにもよく行ってますよ。しかも、なぜか深夜。なんでって聞いたら、『人が少ないし集中できるから』って。最近ホントにゴッツくなりましたね。レスラーらしくなったと思います。昔はもっと細くて薄くて、大丈夫かみたいな感じだったんですけど、厚みも出てきて腕も太くなって、身体の変化をすごく感じてますね。よくがんばってる、偉いなって思います」