ルイス・ネリ「井上にはいくつかの弱点がある。番狂わせを目撃する」34年前の東京ドームタイソン戦の再現を予告
◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 4団体統一王者・井上尚弥―WBC1位ルイス・ネリ(5月6日、東京ドーム) 4団体世界スーパーバンタム級統一王者・井上尚弥(31)=大橋=に挑戦するWBC1位ルイス・ネリ(メキシコ)が23日、東京・神楽坂の帝拳ジムで練習を公開した。米テキサス州エルパソで5か月間のキャンプを消化したネリは「コンディションは100%。みっちりトレーニングを積み、過去の試合より10倍、20倍仕上がりがいい」と、34年前に起きた東京ドームでの大番狂わせの再現を予告した。 シャドーボクシング、ミット打ちをそれぞれ1ラウンドと顔見せ程度の練習だったが、ミット打ちでは回転の速い連打を披露し、仕上がりの良さをうかがわせた。過去にこれほど厳しい練習をして試合に臨んだことはない。米国では自宅に戻らず、5か月間エルパソのキャンプに滞在して汗を流した。その甲斐あって、懸念された減量も現在はリミットから約2・3キロオーバー。試合まで約2週間という期間を考えれば順調のようだ。体と並行して頭も鍛えた。井上の研究を徹底的に行い、出した答えは「弱点がいくつかある。必ず勝利をつかめると思う。番狂わせ? 皆さんは目撃するでしょう」と不敵な笑みを作る。 34年前の1990年2月11日の東京ドーム。統一世界ヘビー級王者マイク・タイソンが、挑戦者のジェームス・ダグラス(ともに米国)にまさかの10回KO負けで王座陥落となった。日本から全世界に「世紀の番狂わせ」とニュースが配信された。ネリにとっては、生まれる前の出来事だが「(タイソンVSダグラスは)映画で見た。倒れないと言われていたタイソンが倒れていた」と振り返り、同じ東京ドームのリングで井上を相手に34年前の再現を予告した。 そして来日時同様に井上のパウンド・フォー・パウンド(全階級を通じての最強選手)1位に関しては改めて否定した。「グレートなボクサーだが、過大評価されている。彼は(バスケットボールの神様)マイケル・ジョーダン(米国)ではない」と終始、自信満々にコメントを残した。 戦績は井上が26戦全勝(23KO)、ネリは35勝(27KO)1敗。
報知新聞社