パリ五輪組→北中米W杯に何人が食い込める? 森保Jは充実の戦力、黄金世代が最盛期だった06年ドイツ大会と同じ構図なら...2列目や最前線は激戦区に
力がありながら招集できなかった面々も
過去の事例を踏まえ、パリ五輪世代は2年後の北中米大会に何人の選手が生き残るのか。現状のA代表は日本サッカー史上最も戦力が充実しており、割って入るのは簡単ではない。黄金世代が最盛期だった06年のドイツ大会と同じ構図になる可能性もあり、特に2列目や最前線は激戦区。U-23代表でエースストライカーを担った細谷や、左サイドが主戦場のFW斉藤光毅は相応の結果を残さなけなければならない。 一方で、やや年齢層が高いセントラルMFのポジションは入り込む余地があり、キャプテンを務めた藤田が立場を確立したとしても驚きはない。アンカーのレギュラーを担うMF遠藤航はワールドカップ開幕時に33歳を迎えており、今後のアピール次第でスカッド入りはある。 その他では187センチの大型SB関根大輝、192センチのサイズと足もとの技巧が魅力のCB高井幸大といった面々に期待がかかるが、選手層を考えれば、前線と同じくメンバー争いに食い込むためには、さらなる飛躍が求められるだろう。 また、大舞台でビッグセーブを連発した小久保玲央ブライアンも期待されているが、GKには才気溢れるプレーヤーが居並ぶ。大迫敬介や同じパリ世代の鈴木彩艶との正守護神争いはハイレベルで、東京世代の谷晃生も復調の兆しを見せている。競争を勝ち抜くためにも、他のポジション同様にクラブでの活躍が最低条件になるはずだ。 五輪に参戦できなかったパリ世代の選手たちの動向にも注目が集まる。今回の五輪はクラブ事情で招集できなかった海外組のタレントが多くおり、14年のブラジル大会で大迫勇や柿谷が五輪を経由せずに招集された事例とは異なるパターンで、ワールドカップ行きを掴むルートが存在するからだ。 21年の東京五輪に飛び級で参戦して翌年のカタール大会にも出場している久保は言うまでもないが、GK鈴木、すでにA代表デビューを飾っているMF鈴木唯人、夏の海外移籍でパリ五輪出場が有力視されながら断念したMF松木玖生など、力がありながらも招集できなかった面々が26年の北中米大会に挑んでいたとしても不思議ではない。 果たして、誰が生き残るのか。大岩監督は帰国会見の最後をこんな言葉で結んだ。「次に向けて、日本サッカーを支えてほしい」。新たな戦いはもう始まっている。 取材・文●松尾祐希(サッカーライター)