選挙で痛感する日本人の幸福 外国勢力による組織的干渉、開票不正の指摘は皆無 赤の広場で
日本で衆院選が行われた10月下旬、旧ソ連圏でも2つの選挙が行われた。モルドバ大統領選とジョージア(グルジア)議会選だ。両選挙に共通したのは、国家が親ロシア路線と親欧米路線のどちらに進むのかが争点化したことだ。 モルドバでは親欧米派の現職大統領が勝利し、ジョージアでは親露色を強める与党の勝利が発表された。 モルドバの親欧米派は有権者買収など「選挙干渉」を試みたとして、ロシアと親露派を非難。これに対し、ジョージアでは親欧米派が与党による「開票不正」が起きたと主張した。真偽は別として、旧ソ連圏の選挙では対立勢力が相手による不正を訴えるのは日常茶飯事で、両選挙でも繰り返された形だ。 一方、日本では個別の選挙違反は起きても、外国勢力による組織的な干渉や開票不正が指摘されることは皆無だ。それは、日本人の多くが「公正であるべき選挙への介入は許されない」と考えているためだろう。 しかし、「選挙は不正が起きるものだ」「権力が結果を改竄しているはずだ」という諦念や疑いを外国人から聞くたびに、選挙を信頼できる国に住める日本人はなんと幸せかと痛感する。(小野田雄一)