両チーム、3得点ずつのシーソーゲーム PK戦を制した札幌大谷が富山第一に勝利し2回戦進出
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)7月27日、福島県内の各会場で行われた。 【フォトギャラリー】富山第一 vs 札幌大谷 Jヴィレッジスタジアムでの第2試合は富山第一(富山)と札幌大谷(北海道)が対戦した。試合は目まぐるしい点の取り合いとなった。 立ち上がり、堅さの見える札幌大谷を後目に攻勢に出た富山第一は前半16分、ゴール前に飛び出したMF20藤田羚耶(2年)が首尾よく決め先制。 しかし、直後の飲水タイムを境にゲームの流れは札幌大谷に傾く。同29分頃、札幌大谷がペナルティエリア内でファールを受けPKを獲得。これをFW8曽我部修羽(3年)が決め、同点に追いつく。 余勢を駆った札幌大谷は後半7分、FW9簗詰夕喜(3年)の放ったシュートのこぼれ球に反応したFW14田村佑太(3年)が押し込み追加点。さらに同11分にはMF8曽我部のパスからFW9簗詰が決め3点目。2点差に引き離しゲームの流れは札幌大谷に。 諦めない富山第一は同14分にMF15 釜親遥斗(2年)のパスからMF10髙橋大和(3年)が決め、1点差に。このまま押し切りたい富山第一は21分、一気に3人の選手を投入し勝負に出た。そしてこれが当たった。同23分、MF10 髙橋のパスに替わったばかりのFW9喜多桜太郎(3年)が頭で押し込み同点ゴールをあげ、3‐3に。 これで終わらないのが、このゲームの面白さ。同28分、今度は札幌大谷がペナルティエリア内でファールを受け、PKの判定。しかしシュートは枠外と前後半で決着つかず、PK戦へ。 先攻の富山第一が3人連続失敗する一方で、後攻の札幌大谷が3人連続成功させ、試合終了。PK戦を3-0で制した札幌大谷が勝って、2回戦進出を決めた。 勝った札幌大谷 清水隆行監督は「差はなかったと感じます。2点リードしましたが、そのまま行けるとは思いませんでした。そこで追いついてくるのが、富山第一さんの力」と話す一方、敗れた富山第一の加納靖典監督は「選手は我慢強くやって、ゲームを作ってくれました。苦しい中でもしたたかにチャンスを作ることはできましたが、受け身になってしまいました。試合の主導権を握るためにはプレッシングの強度やボールを奪ってからのクオリティを追及しなければ、全国では勝てないと感じました」と今後の課題を語った。 これは監督自身も触れたが、富山第一の3失点はGKのキャッチミスや守備面の連係ミスによるもの。それだけにもったいなさが残る。 「選手たちの諦めない気持ちは富山第一の伝統。最後まで勝負を諦めず戦うところは見せることはできましたが、力がまったく足りないと感じるので、この夏、鍛え直したい」と抱負を語った。 なお、勝った札幌大谷は28日の2回戦で市立船橋(千葉)と対戦する。 (文・写真=佐藤亮太)