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　2024年2月、人気YouTuberグループ・東海オンエアのてつやがホテルをオープンすることが大きな話題になった。最近はアパレルやコスメが多かったYouTuberのプロデュース業に変化があらわれており、美容室などをオープンする事例も出始めている。今回はてつやのホテルプロデュースを中心に、YouTuberが手掛ける事業とファンたちの推し活について考えてみたい。 【写真】てつやがプロデュースした『ほてる小栁津』の内装イメージ「やばい部屋とやばくない部屋がある」 　東海オンエアは愛知県岡崎市を拠点に活動するYouTuberグループで、同市の観光大使「岡崎観光伝道師」を務めていることでも知られている。チャンネル登録者数701万人と、グループとして絶大な人気を誇る東海オンエアだが、メンバーたちはそれぞれコーヒーやアパレルブランドのプロデュース、アーティスト活動なども行っており、幅広いジャンルで活躍している（数字は2024年2月15日時点）。 　そんななか、2024年2月5日にリーダー・てつやが個人の新事業として、宿泊施設『ほてる小栁津』を2024年3月1日にオープンすることを発表。東海オンエアの活躍もあり、聖地巡礼のため多くのファンが訪れている岡崎市だが、宿泊施設が少なく、ファンたちが安城市や豊橋、名古屋といった近隣に宿泊していることがホテル立ち上げの理由になったと説明している。「実際に足を運んでもらって、僕たちが生み出した世界観を存分に発揮できる場所っていうのがあったら、僕としても皆さんとしてもお互い嬉しいんじゃないか」と思い立ってからちょうど1年。てつやの思いがかたちになったというわけだ。 　てつやプロデュースのホテルとあって、宿泊者のみが手にできるアメニティは、オリジナル商品が勢揃い。ホテルの部屋に必ず置いてあるペットボトルの水は、オリジナルパッケージを全11種類用意するなど、こだわりにこだわったそうだ。さらに、部屋にはメンバー・りょうが手がけるコーヒーブランド『R COFFEE STAND』とコラボしたオリジナルドリップコーヒー「OYAIZU BLEND」が置かれるなど、メンバーとのコラボアイテムもあるとのこと。これには「こういうお願いができたというのが個人的にはすごく嬉しい」と述べており、身近な人と一緒に何かをできるということは感慨深かったと話している。 　これまでYouTuberたちのプロデュース業といえば、アパレルやコスメなどが一般的。これらのプロデュースは動画再生数や動画収益の減少に対する補填的な役割もあったが、てつやのホテルをはじめ、最近はYouTuberたちのプロデュース事業も変わりつつあることが読み取れる。 　ゲーム配信で人気の加藤純一は、2023年10月、東京に美容室『CUT純』をオープンすることを発表、今年1月4日についに営業開始にこぎつけた。加藤によると、視聴者の95%が男性ということもあり、美容室のオープンは「みんなにカッコよくなってほしい」という思いからだったという。加藤自身もこの美容室を利用するとあって、タイミング次第では加藤に会える可能性も十分。ファンには聖地的な場所となるかもしれない。 　ホテルや美容室の開業から、新しいフェーズに入ったと感じられるYouTuberたちのプロデュース業。この変化は、ファンたちの推し活にも影響を与えそうなのだ。視聴者たちはこれまで、動画クリエイターがプロデュースしたアイテムを購入することが、彼ら彼女らを応援する大きな方法となっていたのは間違いない。 　しかしながら、ホテルや美容室など体験ベースの事業をプロデュースしたことで、宿泊やヘアカットなどの施術もまた、推し活のひとつの方法に加わったことになる。推しを応援する方法の選択肢が増えたことで、今後はファンのお金の使い道にも変化が出てくることが考えられる。 　ファンへの思いからそれぞれプロデュース業に励んだてつやと加藤。YouTuberたちの気持ちのこもった新たなプロデュース業は、ファンたちの応援方法にも影響を与える、実に壮大なプロジェクトといえるだろう。