21世紀枠の田辺 76年ぶり聖地星逃すも大健闘 昨秋神宮大会V星稜追い詰めた
「選抜高校野球・1回戦、星稜4-2田辺」(18日、甲子園球場) 1回戦3試合が行われ、21世紀枠の田辺(和歌山)は、昨秋の明治神宮大会を制した星稜(石川)に2-4で敗れ、甲子園最長ブランクとなる76年ぶりの勝利はならなかった。星稜のほかに、熊本国府、八戸学院光星(青森)が2回戦に進出した。今大会から投手の受傷事故防止を目的とした低反発の新基準バットが導入された。決勝は30日の予定。 【写真】天国の“第二の母”へ快音!遺影が選手の手でアルプススタンドに 三たびのジャイアントキリング、そして聖地では春夏通じて最長ブランクとなる76年ぶりの甲子園3勝目は逃した。しかしアルプスの大声援を背に、寺西邦右投手(3年)は持ち味を存分に発揮。優勝候補の星稜に完投し139球、8安打4失点に「憧れの舞台だったので投げられたのは自分の財産」と胸を張った。 21世紀枠の誇りを胸にマウンドに立った。昨秋和歌山大会で甲子園常連の市和歌山、智弁和歌山を撃破して近畿大会進出。この日の昨秋神宮覇者との勝負も「甲子園に出るチームはどこも強豪なので気にしなかった」と一歩も引かず、ストレートで強気を貫いた。 九回の打席は1死一塁で左越え二塁打を放ち反撃のチャンス拡大。応援団からは「田辺が大将!!」と割れんばかりのコールが響き渡った。「あれだけ応援されるといつも以上の力が出る。思い切って甲子園でプレーできた」と感謝し「夏もまたこのマウンドで投げたい」と聖地に戻ってくることを誓った。田中格監督(51)も「星稜相手によく頑張った」とエースをたたえ「日本一のチームと互角に戦えたのは夏に向けてプラス」と手応えを感じていた。