入団時はCFだったジョエリントンが浦和戦ではアンカーにCBまで…。ハウ監督が今後の起用法にも言及
移籍金4000万ポンドでストライカーとして加入
7番を背負うマルチロールが、実に頼もしかった。 7月31日に行なわれた浦和レッズとのプレシーズンマッチに、4-1の完勝を収めたニューカッスル。この試合で多彩な才能を発揮したのがブラジル代表のジョエリントンだ。 2019年夏に当時のクラブ史上最高額である移籍金4000万ポンドでホッフェンハイムから加入したジョエリントンは、もともとCFの選手だった。だが、ストライカーとしては思うように輝けず、21-22シーズン途中に就任したハウ監督の下でインサイドハーフにコンバートされると、その抜擢に応えて活躍。新境地を開拓した。 以降、インサイドハーフを主戦場に必要に応じてウイングでも期待に応えてきたマルチなジョエリントンをハウ監督はこの浦和戦で、4-3-3のアンカーに配置。起用を見送った本来レギュラーのブルーノ・ギマランイスの代役に抜擢した。すると強靭なフィジカルと卓越したテクニックを武器にコンダクターとして機能。的確なポジショニングで守備にも貢献するなど、攻守両面で確かなプレゼンスを示した。 それだけではない。試合終盤には、ピッチを退いたクラフトに代わって最終ラインに入り、CBとしてプレーしたのである。試合前に雨が降った影響もあり蒸し暑く、体力をかなり消耗していたはずだ。そんな中でも不慣れな役割をそつなくこなし、浦和の攻撃に対応していた。 【画像】ジョエリントンやトナーリらディズニーシー満喫のオフショット 試合後の会見で今後もCBで起用する可能性はあるのかと質問されたハウ監督は、微笑みながらこう答えた。 「ディフェンダーになるつもりは(ジョエリントン自身に)ないだろう。すごく多彩な選手なので、この試合では緊急的にこなしてもらった。そして彼も、求められた仕事をした。この2年間、ミッドフィルダーとして活躍してきたし、その役割は変わらない」 あくまで緊急的な措置であり、おそらく新シーズンもインサイドハーフが主戦場になるだろう。ただ、急場の選択肢として指揮官の頭にインプットされたのは間違いない。 監督のコンバートに応え続けてきた“断らない男”は新シーズン、どんなパフォーマンスを披露してくれるのか。多彩な27歳に注目したい。 取材・文●加藤紀幸(ワールドサッカーダイジェスト編集部)