【玉ノ井親方・視点】両大関の勝敗分けた右上手後の対応
◇大相撲九州場所千秋楽(2024年11月24日 福岡国際センター) 千秋楽の大一番は互いに力を出し切った見応えのある取組だった。勝負のポイントは豊昇龍が右上手を取った場面。結果論になるが、あのタイミングですぐに投げを打たず、そのまま前に出て琴桜の体勢を崩せば、展開も変わっていただろう。 もしくは投げを打つのであれば“投げは下に打て”といわれるように、下に引きつけるように打つべきだった。実際は横に振る形になり、琴桜に残された。投げを打った後に足を滑らせる不運もあった。九州場所は時季的に空気が乾燥しており、土俵が乾きやすい傾向がある。ただ、多少滑りやすかったとしても条件は一緒。それを言い訳にはできない。 琴桜の今場所は下半身の安定感が増して当たりも力強くなったが、次は相手も目の色を変えて研究してくる。そう簡単にはいかないと覚悟して、綱獲りがかかる初場所へ準備をすることが大事だ。(元大関・栃東)